2017年10月25日水曜日

『慈愛の書』[ビルマ]



シュエナンチョシン王に献上された「慈愛の書」

ウー・ペーマウンティン著
大野徹監訳『ビルマ文学史』P91〜92参照





与えられぬに欲しがるなかれ

問われもせぬに答えるなかれ

呼ばれもせぬに行くなかれ

美味ならざるに食すなかれ

熟しもせぬに食すなかれ

似合わないのに着るなかれ



黙しているのは値千金

人欲しがればナッ(神)も欲しがる

人好めばナッ(神)も好む



軽くもなければ重くもない

遅くもなければ早くもない



黄金の秤(はかり)のごとく

張ってもおらず弛んでもいない

小舟や筏をつなぐ浮標(ふひょう)のごとく

智慧を惜しむな

漁師が釣竿(つりざお)操り引き上げるごとく

智慧あればこそ時機を知る






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