2015年12月15日火曜日

グーグル社の、最も静かな夕食 [Mindful Eating]



Lilian Cheung, D.Sc, R.D.

「私たちハーバード大学の栄養士たちが、オリビアと全力を尽くして取り組みつづけてきたことは、グーグルのみなさんに健康的な食生活をするための科学的根拠にのっとった情報を提供するということです。

しかしオリビアは、それ以上にグーグルのキャンパスにおいて "食物を味わう食べ方(mindful eating)、今ここに生きる生き方(mindful living)" を提案していくことが必要だと言い、そうすることによって従業員のみなさんの人生がより豊かになっていくための助けとなると考えているのです。



話の流れで、私は彼女に禅マスターであるティク・ナット・ハンと一緒に本(『Savor: Mindful Eating, Mindful Life』)を書いたことを話すと、

"ティク・ナット・ハンを呼ぶことはできるかしら?"

と聞いてきたのです。ティク・ナット・ハンは、

"条件付きなら"

ということでOKしてくれました。それは

グーグルのみなさんが半日、マインドフルネス(今ここにあること)を共にすると約束してくれたら

というものでした」






Olivia Wu

「私たちは皆、『完全に今ここに在る(fully present)』感覚をより深めていきたいと思い、今日ここに集まりました。非常にシンプルであり、それでいて幻想的でもある目覚め(awareness)という状態を深めていきたいと思っているわけです。それが "今この瞬間を100%あるがままに自覚する" 生き方につながっていきます。

ここシリコンバレーに仏教僧のなかでもこのように偉大なる師が、私たちのために来て下さったことはとても貴重なことだと思います。ティク・ナット・ハンは私たちの精神(who we are)を理解してくださり、また、"今この瞬間を100%あるがままに自覚する" こと(mindfulness)によって、私たちの意識が新たなものになることもご存知なのだと思います」







ティク・ナット・ハン(Thich Nhat Hanh)

「もしあなたが、誰かを幸せにしたいと思ったら、その人に何かを与えなくてはなりません。なにか美味しいものを作ってあげて、一緒に食べるということかもしれません。しかし、あなたが人に与えることのできる最も貴重なものは、あなたがスーパーで買えるようなものではありません。それは『あなたが "今ここ" にあること(your true presence)』なのです。


私たちは、いつも不安がいっぱいで、怒っていて、幸せではないのです。ですから、私たちのハート、自分の周りにスペースをつくる練習をするのです。人は、自分のハートに自由が芽生え、自分の内面にスペースができるまでは、幸せになることはできません。ですから、愛するということはスペースを与えること(offer spaceなのです。自分自身にスペースがなければ、どうして愛する人にスペースを与えることができるのでしょうか。


『歩く瞑想(walking meditation, mindful walking)』の練習をするのもいいでしょう。一歩一歩、気を配って歩くのです。息を吸いながら一歩踏み出し、一歩一歩に意識を向けて歩くのです。自分の足で、今この瞬間に、ある生命に触れている、という感覚です。始めて数分で、すぐに効果がわかるでしょう。吸う息にだけ意識を向け、吐く息で、過去、未来、すべての計画を解放するのです。


"今ここに100%あること(mindfulness" を練習するために、お寺に行く必要はありません。駐車場からオフィスに向かって歩いていく時、意識を向けて歩くことを楽しむこともできるでしょう。一歩一歩、すべてを楽しめるかもしれません」







Lilian Cheung

「私たちは最後に、100%意識を向けて夕食(mindful dinner)をとりました。とても静かな食事(silent meal)でした。これはグーグルでは珍しく、携帯電話その他の電子機器も持たない時間(no gadget with you)でした。

100%食べることに意識をもっていくということ(mindful eating)は、本当の意味で "食べる" ということで、それは自分に栄養を与え、また、食べている食物をじっくり味わうということです。

グーグル社にとって、このように社員ひとりひとりを大切にするということは、とても大切なことです。ストレス問題の根元に働きかけるからです。そうすることによって、あなた自身が世界の注目する会社の代表となるからで す」










引用:YouTube
『100%今を味わう生き方』~歩く瞑想:ティク・ナット・ハン