話:樋泉克夫
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20世紀の中国を代表する英語の使い手、と称された林語堂は、昭和10年に『My Country and My People 』を出版しました。
そのなかで「民族としての中国人の偉大さ」と題し、次のように興味深いことを記しています。
「煩雑な礼節を制定する力量があると同時に、それを人生の一大ジョークとみなすことができる」
「罪悪を糾弾する力量があると同時に、罪悪に対していささかも心を動かさず、なんとも思わぬことすらできる」
「官吏に対する弾劾制度、行政管理制度、交通規則、図書閲覧規定など細則までよく完備した制度をつくる力量があると同時に、一切の規則、条例、制度を破壊し、あるいは無視し、ごまかし、もてあそび、操ることができる」
要するに、中国人は融通無碍で変幻自在、ひとことで言えば「なんでもあり」ということです。
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引用:致知2016年6月号
樋泉克夫「生き方から考える中国の世界戦略」