2013年3月23日土曜日

「ヒト」とは? そして人間になった。



「人(ひと)」という古い日本語の由来は「霊処(ひと)」、つまり「霊(ひ)がとまるところ」という説がある。また、「ひ」は「日」に通じ、「日の徳にとまるところ」というものもある。

「私たちの祖先は、太陽に明るく照らされ、神霊が宿るところが人間だという見方をもっていたようです(光延一郎)」

いわば、日本人は「天」を見て、そして人を見たのだ。



さて、次は西洋へと目を転じてみよう。

ギリシャ語の「人」は「アントロポス」。「花開く」という意味。ラテン語では「ホモ」、これは「大地」。旧約聖書に登場するアダムという最初の人の名は、「アダマー(地面)」に由来し、「土の塵」からできたことを示唆している。

なるほど、西洋の人々は「地」を見て、そこから人を見たのだ。



ところでラテン語では、「人格」を「ペルソナ」というが、その語源は「仮面」だという。これは、英語のパーソンにも派生する言葉だ。

土くれから生まれたヒトが、人間という仮面をかぶる…。

それはなんとも、人の間に生きる「人間」らしい姿ではあるまいか…。






出典:大法輪2013年3月号
「日本人のためのキリスト教入門 光延一郎」

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