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2016年11月10日木曜日

星より料理[ブリア=サヴァラン]






新しい料理の発見は、新しい星の発見よりも人類を幸福にする。

La découverte d’un mets nouveau fait plus pour le bonheur du genre humain que la découverte d’une étoile.


ブリア=サヴァラン
Brillat-Savarin(1755-1826)

※天王星の発見(1781年)があった頃の言葉。ちなみに、海王星ものちに発見される(1846年)。







2016年10月31日月曜日

どれにする?[キャンプ・ケトル3選]



「カッコよさ」なら、これ!

1. Kelly Kettle(ケリー・ケトル)






「コンパクトさ」なら、これ!

2. たためるケトル





「実用性」なら、これ!

3. BioLite(バイオライト)ケトル・チャージ






2016年8月20日土曜日

悪魔のドリンク「チア・フレスコ」



話:クリストファー・マクドゥーガル
Christopher McDougall




…


峡谷からでる長い登りにむけて出発しようというとき、アンヘルはへこんだブリキのカップをよこし、「これを飲めば、かならず役に立つ」と請けあった。

「きっと気に入る」

と彼は断言した。



わたしは中をのぞいてみた。カップの中身はドロドロしていて、米抜きのライスプディングのように見えた。

黒い斑点のついた泡がたくさんあって、これは ”孵化直前のカエルの卵” にちがいない。もし別の土地でこんなものに出くわしたら、悪ふざけとしか思えないだろう。まるで子供が金魚鉢から上澄みの泡をすくい取り、私をだまして味見させようとしているようなものだと。

穏当な線で考えても、おそらく発酵した植物の根と、川の水を混ぜたもの、つまり、味には我慢できたとしても、バクテリアが原因で吐き出すはめになる。



「どうも」

と言いながら、わたしはサボテンの裏にでも中身を捨てられないかと、あたりを見回した。

「これは何です?」

「イスキアテだ」



聞き覚えがある…。

そうだ。不屈のルムホルツはかつて過酷な探検の最中に、食べ物を求めてタラウマラ族の家によろよろと入っていったことがあった。前方には、日暮れまでに登らないといけない山が立ちはだかっていた。ルムホルツは疲れはて、絶望的な気分だった。どう考えても、あの山を登る力はのこっていない。

「ある午後おそく、洞窟にたどり着くと、女性がこの飲み物をつくっているところだった」

とルムホルツは後に書いている。

「私はひどく疲れ、600メートルほど上方の野営地まで、どう山腹を登ったものか途方に暮れていた。ところが、イスキアテで飢えと渇きを満たすと…」

と彼はつづける。

「むくむく新たな力が湧き立つのを感じ、われながら驚いたことに、大した苦労もなく高峰にのぼることができたのである。以後、イスキアテはいつでも困ったときの友となり、力をみなぎらせ、回復させてくれた。これは発見といって差し支えないだろう」



まさに、自家製の〈レッドブル〉!

これを試さない手はない。





「あとでいただきますよ」

と私はアンヘルに言った。そしてイスキアテを、ヨウ素の錠剤で消毒済みの水が半分はいった腰のボトルにそそぎ、さらに2錠を追加した。私はくたくたに疲れていたが、ルムホルツとは違って、水が媒介するバクテリアが原因で一年間の慢性的な下痢に苦しむリスクを冒すほど自暴自棄にはなっていなかった。



数ヶ月後に知ったのだが、イスキアテは

「チア・フレスカ(冷たいチア)」

とも呼ばれている。






作り方は、チア(サルビア・ヒスパニカ)の種を水に溶き、少量の砂糖とライムの絞り汁をくわえるというもの。

含まれる栄養素からいうと、スプーン一杯のチアは、鮭とホウレン草、ヒト成長ホルモンを材料にしたスムージーに近い。小さな種のなかに、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸、タンパク質、カルシウム、鉄、亜鉛、食物繊維、抗酸化剤がつめこまれている。

無人島に一つだけ食料をもっていくとしたら、チアより優れたものはそうそうない。少なくとも、筋肉をつけ、コレステロール値を下げ、心臓病のリスクを減らしたい人にとってはそうだ。チアを食べつづければ、数ヶ月後には泳いで家に帰れるだろう。







チアはかつて非常に重宝され、アステカ族が王への貢ぎ物にするほどだった。アステカ族の使者はチアの種を噛んで戦場へと走り、ホピ族はアリゾナから太平洋までの壮大なランのあいだにチアで栄養を補給した。

メキシコのチアパス州はじつはこの種子にちなんで命名されている。チアの種はトウモロコシや豆とならぶこの州の商品作物だった。



また、「黄金の液体」とも呼ばれているのに、チアは馬鹿バカしいほど育てやすい。〈チア・ペット〉さえ買えば、自前の悪魔ドリンク完成まであと少しだ。

そのうえ、ヨウ素がほどほどに溶けたころに思い切って二、三口飲んでわかったのだが、この悪魔のドリンクはすこぶるうまい。薬品の後味があってなお、イスキアテはライムの香り豊かなフルーツパンチのようにノドを潤してくれた。

カバーヨ探しで興奮していたせいかもしれないが、数分もすると爽快な気分になり、前夜、凍りかけた土間で寝たために午前中ずっと感じていた軽い頭痛まで消えていた。







…








引用:BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”




2016年6月15日水曜日

無人のファーストフード店「Eatsa」



『COURRiER Japon』より


…


ロンドンやシンガポールで「ドローン(無人機)」が食事をはこぶ店がオープンするなど、外食産業ではさまざまな「無人化」が進められている。

2015年8月、米サンフランシスコでは世界初となる「無人ファーストフード店」、Eatsa(イーツァ)が開店した。共同創業者の一人は、グーグルでプロダクトマネジャーを務めた人物だ。

店内にはウェイターもレジ係もおらず、iPadでの注文方法を説明する担当者がわずかにいる程度。食事はコインロッカーのような窓口で受け取ることになっていて、準備ができると扉のタッチスクリーンに自分の名前が表示される。

健康志向の強い地元民に合わせ、メニューはボリュームのあるサラダが中心で、8種類すべてに穀物キヌアが入ったベジタリアン食だ。「弁当ボウル」と称したテリヤキ・ソースのかかったものや、カレー味、地中海料理風など、見た目も味もバラエティ豊か。

各6.95ドル(約830円)で、支払いはクレジットカードのみ受け付けている。レシートはメールで送られる仕組みだ。窓口の向こうは一切みえない。米「タイム誌」によると、ランチタイムには7人ほどのスタッフが裏で調理をしているという。

共同創業者のティム・ヤングは取材に対して、さらにテクノロジーを取り入れたいと意気込む。

「調理担当者も、一人一台iPadを使って、自身のタスクを管理しています。将来はスマホからの注文を受けられるようにしたいですね」


…





引用:COURRiER Japon(クーリエジャポン) 2016年 01 月号





2015年12月15日火曜日

グーグル社の、最も静かな夕食 [Mindful Eating]



Lilian Cheung, D.Sc, R.D.

「私たちハーバード大学の栄養士たちが、オリビアと全力を尽くして取り組みつづけてきたことは、グーグルのみなさんに健康的な食生活をするための科学的根拠にのっとった情報を提供するということです。

しかしオリビアは、それ以上にグーグルのキャンパスにおいて "食物を味わう食べ方(mindful eating)、今ここに生きる生き方(mindful living)" を提案していくことが必要だと言い、そうすることによって従業員のみなさんの人生がより豊かになっていくための助けとなると考えているのです。



話の流れで、私は彼女に禅マスターであるティク・ナット・ハンと一緒に本(『Savor: Mindful Eating, Mindful Life』)を書いたことを話すと、

"ティク・ナット・ハンを呼ぶことはできるかしら?"

と聞いてきたのです。ティク・ナット・ハンは、

"条件付きなら"

ということでOKしてくれました。それは

グーグルのみなさんが半日、マインドフルネス(今ここにあること)を共にすると約束してくれたら

というものでした」






Olivia Wu

「私たちは皆、『完全に今ここに在る(fully present)』感覚をより深めていきたいと思い、今日ここに集まりました。非常にシンプルであり、それでいて幻想的でもある目覚め(awareness)という状態を深めていきたいと思っているわけです。それが "今この瞬間を100%あるがままに自覚する" 生き方につながっていきます。

ここシリコンバレーに仏教僧のなかでもこのように偉大なる師が、私たちのために来て下さったことはとても貴重なことだと思います。ティク・ナット・ハンは私たちの精神(who we are)を理解してくださり、また、"今この瞬間を100%あるがままに自覚する" こと(mindfulness)によって、私たちの意識が新たなものになることもご存知なのだと思います」







ティク・ナット・ハン(Thich Nhat Hanh)

「もしあなたが、誰かを幸せにしたいと思ったら、その人に何かを与えなくてはなりません。なにか美味しいものを作ってあげて、一緒に食べるということかもしれません。しかし、あなたが人に与えることのできる最も貴重なものは、あなたがスーパーで買えるようなものではありません。それは『あなたが "今ここ" にあること(your true presence)』なのです。


私たちは、いつも不安がいっぱいで、怒っていて、幸せではないのです。ですから、私たちのハート、自分の周りにスペースをつくる練習をするのです。人は、自分のハートに自由が芽生え、自分の内面にスペースができるまでは、幸せになることはできません。ですから、愛するということはスペースを与えること(offer space)なのです。自分自身にスペースがなければ、どうして愛する人にスペースを与えることができるのでしょうか。


『歩く瞑想(walking meditation, mindful walking)』の練習をするのもいいでしょう。一歩一歩、気を配って歩くのです。息を吸いながら一歩踏み出し、一歩一歩に意識を向けて歩くのです。自分の足で、今この瞬間に、ある生命に触れている、という感覚です。始めて数分で、すぐに効果がわかるでしょう。吸う息にだけ意識を向け、吐く息で、過去、未来、すべての計画を解放するのです。


"今ここに100%あること(mindfulness)" を練習するために、お寺に行く必要はありません。駐車場からオフィスに向かって歩いていく時、意識を向けて歩くことを楽しむこともできるでしょう。一歩一歩、すべてを楽しめるかもしれません」







Lilian Cheung

「私たちは最後に、100%意識を向けて夕食(mindful dinner)をとりました。とても静かな食事(silent meal)でした。これはグーグルでは珍しく、携帯電話その他の電子機器も持たない時間(no gadget with you)でした。

100%食べることに意識をもっていくということ(mindful eating)は、本当の意味で "食べる" ということで、それは自分に栄養を与え、また、食べている食物をじっくり味わうということです。

グーグル社にとって、このように社員ひとりひとりを大切にするということは、とても大切なことです。ストレス問題の根元に働きかけるからです。そうすることによって、あなた自身が世界の注目する会社の代表となるからで す」










引用:YouTube
『100%今を味わう生き方』~歩く瞑想:ティク・ナット・ハン




2015年10月23日金曜日

手前 ミソならぬ手前ギョーザ [中国語]



老婆是別人家的好,
孩子和饺子是自家的好

女房は他人のがよく見える。
子供とギョーザは自分のがよく見える。





NHKラジオ レベルアップ中国語 2015年 10月号より

北方の中国人は、家ごとにギョーザ作りのコツや秘伝がある。彼らにとって、ギョーザはちょっとしたご馳走である(南方の中国人はギョーザよりワンタンを好む)。

中国人はよく自宅で「餃子パーティー」を開く。手打ちうどんを作るような感じで、みんなで協力して小麦粉からギョーザの皮をつくり、あんを詰め、お湯でゆでて、食べる。日本のギョーザは油で焼いて食べるが、中国ではギョーザは茹でて食べるものである。中国人は、食べ残して硬くなったギョーザだけ、翌日に油で炒めて食べる。

日本では大学の先生の自宅に学生がお邪魔するのは珍しいが、中国の大学の先生は、ときどき自宅で餃子パーティーを開き、学生たちを招く。このような餃子パーティーは、午後から夜まで数時間かかることが珍しくない。一緒にギョーザをつくりながら、おしゃべりを楽しみ、親睦を深める。






舒服不如倒着,
好吃不如饺子

気分が良くなるには寝るにしかず
美味しいものなら餃子にしかず


「外でお金をつかって贅沢をするよりも、アットホームな寛いだ雰囲気で楽しむほうが幸せだ」

中国の餃子にはそんな人生哲学があるようだ。




2015年4月9日木曜日

ブルーゾーンとは?



世界には、ある地域の10倍も多くの人々が100歳以上まで健康に生きる地域がある。それをダン・ベットナー(Dan Buettner)は『ブルーゾーン(The Blue Zones )』と呼ぶ。彼はナショナルジオグラフィックのライターであり、長寿の秘密(a de facto formula for longevity)を研究している。

ダンは言う。

「科学的に言えば、ヒトの体の寿命は約90年です。人体には35兆の細胞があり、これらの細胞は8年に一度は入れ替わっています。そして入れ替わるたびに、いくらかダメージを受ける。ダメージは蓄積され指数関数的に増えていきます。昔われわれが持っていたビートルズのアルバムをカセットテープにコピーして、友人にそのテープをまたコピーして、それを繰り返すとひどい音になっていきました。細胞でもちょうど同じことが起こるのです。だから、65歳の人間は12歳の人間の125倍の速さで老いていくのです。フラミンガム研究では、親友3人が肥満なら自分も肥満になる可能性が5割高くなることが知られています。つまり、不健康な人たちに囲まれていると、長期的に不健康になってしまうのです」

ヒトの寿命の限界(biological limits)は、10%が遺伝的に決まっているという(Danish Twin Study)。残りの90%はといえば生活習慣(lifestyle)が決めるそうだ。



長寿のための”最適な生活習慣(the optimal formula of longevity)”とは?







たとえば、イタリアのサルデーニャ島(Sardinia)。

Dan「島には140万人が住んでいますが、ヌオロ県(Nuoro province)という高地地帯がブルーゾーン(長寿地域)です。この地方では男性のほうが長寿で、100歳以上の人がアメリカの10倍以上も居ます(アメリカでは5000人に一人)。ただ単に100歳以上であるだけでなく、彼らは非常に活動的です。102歳の老人がバイクで仕事に出かけ、60歳も若い相手を腕相撲で負かすほどなのです(笑)」

村の歴史はキリストの時代にまで遡り、青銅器時代の文化が今なお温存されている。不毛な土地柄から、ほとんどが羊飼いをして暮し、低強度の肉体運動(low-intensity physical activity)が規則正しく続けられてきた。食事はほとんどが植物性(plant-based)。デュラム小麦(carta musica)でつくられた非発酵の全粒小麦パン、草で飼育された動物(grass-fed animals)のチーズ(オメガ3脂肪酸を多く含む)、通常のワインよりもポリフェノールを3倍も含むワイン(Cannonau)。

Dan「本当の秘密は、彼らが社会を形成する方法にあります。サルデーニャでは、齢をとるにつれて人間の価値が高まり(the older you get, the more equity you have)、その知恵を賞賛されるのです。アメリカでは、社会的な価値は24歳でピークになりますけどね(笑)」

また『祖母効果(the grandmather effect)』というものも見受けられる。年老いた両親が家族の近くにいることで、子供の寿命が4~6年延びるという(死亡率と疾病罹患率がより低くなる)。







日本の沖縄もブルーゾーンの一つだ。

Dan「沖縄本島の北部は世界一の長寿地域で、疾患なしで世界最長寿の人々が住んでいます。長い時間を生きたあとは、眠っている間にサッと他界します。それもなんと、しばしばセックスの後にです(笑)」

100歳以上の人口はアメリカの5倍以上。大腸ガンと乳ガンの発生率は5分の1(アメリカでは大きな死因)。食生活は植物性が中心で(plant-based diet)、いろいろな色の野菜を食べ、アメリカ人の8倍の量の豆腐を食べる。

Dan「何を食べるかよりも”どう食べるか(how they eat it)”が重要です。アメリカで問題となっている過食(overeating)を防ぐ方法がたくさんあるのです。たとえば”小さな皿(smaller plates)で食べること”。また彼らには3000年前からの古い格言があります。孔子(Confucius)の言葉『腹八分(The Hare Hatchi Bu)』、それを食事のまえに唱えます。腹八分とは満腹の20%手前で食べるのを止めること。満腹感(full feeling)が腹部から脳に伝わるには30分かかりますから、あらかじめ80%で止めることで過食を防いでいるのです」







『孤独は死への早道(isolation kills)』とダンは言う。

Dan「15年前、平均的アメリカ人には親友が3人いましたが、現在は1.5人になっています。もし沖縄で生まれたならば生涯を通じて付き合える友達が6人は持てます。沖縄には”模合(もあい)”という共同体があり、模合に入ると状況が悪いときや子供が病気のとき、親が死んだときなど誰かが助けになってくれます。順番に一定の金額を受け取ることができます」



Dan「アメリカでは仕事の時代が終わると、ある日ボンッと引退しますが、沖縄には”引退(retirement)”という単語がありません。その代わりに人生すべてを表す単語である”生き甲斐”があります。大ざっぱに約すれば、生き甲斐は”翌朝、目覚めるための理由(the reason for which you wake up in the morning)”となります」

翌朝、なんのために目覚めるか?

102歳の空手家は「空手道を発展させること」と答え、100歳の漁師は「家族ために週3回、魚を獲ってくること」と言った。102歳の女性の場合、彼女の生き甲斐は「101歳半離れた曾曾曾孫だ」と答えた。







世界のブルーゾーン(長寿地域)に共通する文化とは?

Dan「誰も運動を、つまり我々が考えるような運動(マラソンやヨガ)をしていません。その代わりに、彼らの生活それ自体が常に肉体活動と結びついています。100歳になる沖縄の女性たちは、毎日30回も40回も立ったり座ったりして、いろいろな場所にも行きます。サルデーニャの人たちは複数階の家に住み、階段を上ったり下りたりを繰り返します。店に行くのも教会に行くのも、友達の家に行くのもすべてが歩きです。彼らはじつによく歩きます。それはボケを予防できる唯一証明された行為です」

Dan「便利な道具などありません。庭仕事や家事をやってくれる押しボタンはありません。ケーキの生地をつくりたければ、自分の手で混ぜなければなりません。97歳の男性は、垣根をつくるのにセメントをこね、自分で柱を立てて回るのです」

Dan「どの文化にも”くつろぐ時間(time to downshift)”があります。サルデーニャ人は祈ります。沖縄人は先祖を祀っています。彼らには、沖縄の”生き甲斐”のような言葉があります。ブルーゾーンの人々は人生の意味を知っており、活動的な人生を過ごしています」

Dan「少しだけお酒を飲みます。肉を食べないというより、豆や木の実をたくさん食べます。そして過食を避ける方法をもっています」







Dan「これらの根底には、彼らの人間関係(how they connect)があります。家族を第一に考えて(put their families first)、子供や老人をよく世話します。彼らは生まれた時から、きちんとした人たち(the right people)に囲まれているのです。長寿に関しては、飲み薬やそのほかの短期的な解決方法(short term fix)は存在しないのです」













(了)






ソース:TED Talk
ダン・ベットナー「100歳を超えて生きるには」




2014年5月28日水曜日

マテ茶の精神




サッカー大国、南米パラグアイ

小澤英明は、その異国の地にとびこんだ。18年間プレーしたJリーグを離れて。



「チームに溶け込もう、認められようともがいていた時、みんなが回し飲みしている飲み物があることに気付いたんです」

それが『マテ茶』だった。

マテ茶は、コーヒーと紅茶(中国茶・日本茶を含む)にならぶ”世界三大飲料”ともいわれている。



「最初は躊躇しましたが、勇気を出してその(回し飲みの)輪に加わってみました。するとチームメイトとの距離が一気に縮まった。日本で言う”同じ釜のメシをくう”みたいな感覚ですかね」と小澤は微笑む。

ビタミンやミネラルが豊富なマテ茶。肉料理中心の南米諸国にあって、マテ茶は”飲むサラダ”として日常に浸透しているという。

「これは何か力のある飲み物だと直観しました。味わいもスッキリして美味しいし、身体だけでなくメンタルに作用する部分があることも知ってほしい。今この一瞬を精一杯生きるという気持ちにさせてくれるんです」



パラグアイに渡り、早4年。

いまや小澤は、回し飲みにすっかり溶け込んでいる。

「あとでわかったことですが、回す方向は必ず時計回り。なぜかというと、”仲間たちと同じ時を刻む”という意味が込められているから」






(了)








2014年4月12日土曜日

薬としてのコーヒー [岡希太郎]



話:岡希太郎(金沢大学コーヒー学講座講師)


 巷(ちまた)では、コーヒーは体に良いという情報もあれば、体に悪いから飲まないといった意見も根強くあり、一体どちらを信じればよいのか疑問を抱いている方も少なくないようです。

 コーヒーに関して昔からよく言われてきたのは、飲むと目が冴えて夜眠れなくなる、トイレが近くなるといったことです。コーヒーが体に悪いというイメージは、主にこの2つからきているようです(あるいは、妊婦・授乳婦が飲むのを禁じられたりすることも、ネガティブなイメージに結びついているようです)。

 これらはいずれも”カフェイン”が悪者になっています。しかしながら最近では、カフェインはパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経病、そしてガン全般に効果があることが明らかになっています。私がコーヒー研究をはじめるきっかけとなった野田光彦先生の論文には、コーヒーを飲んでいる人は、糖尿病(2型)になりにくいと書いてありました。

 また、ソモザ博士(ウィーン大学)は、コーヒーのカフェインと、豆を焙煎したときに出てくる”NMP(N-メチルピリジニウムイオン)”に、細胞のガン化を防ぐ効果があるという論文を発表しています。さらにツァオ教授(南フロリダ大学)は、パーキンソン病にいたる運動神経の障害をカフェインが防ぐことを説いており、同様の理由で、「神経障害の一種であるアルツハイマー病になりたくなければカフェインを摂取すべきだ」と主張しています。



 コーヒー豆の成分で、病気予防の効き目に関係することが明らかになっているのは、

「カフェイン」
「クロロゲン酸」
「ニコチン酸」
「NMP(N-メチルピリジニウムイオン)」

の4つです。

 「クロロゲン酸」には、抗酸化作用、食後の急激な血糖の上昇を抑える作用(糖分の吸収を遅くする作用)、副交感神経を刺激して血圧を下げる作用、肝臓や筋肉での遊離脂肪酸の分解促進などの作用があり、「カフェイン」と一緒に摂ることで、生活習慣予防に欠かせない要素となるのです。

 「ニコチン酸」は、高脂血症を治療する医薬品にもなっており、ストレスが原因でおこる脂肪組織からの遊離脂肪酸の流出を抑える働きがあります。また、血管壁を保護したり、血小板の活性化を抑えて血液を固まりにくくしたりする作用ももっています。

 「NMP(N-メチルピリジニウムイオン)」は、副交感神経を刺激して気分を和らげ、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を亢進させたり、血圧を下げたりします。また、強い抗酸化作用があり、発ガン性物質の解毒にも寄与しているといわれています。



 ここで、こうした健康効果を高めるための、とっておきのコーヒーの選び方をご紹介したいと思います。

 それは、「深煎り豆」と「浅煎り豆」をブレンドすることです。

 「クロロゲン酸」は熱に弱いため、その分解を防ぐためにはコーヒーを焙煎するさいに浅煎りに留める必要があります。しかし、浅煎りでは得られないのが「ニコチン酸」と「NMP」です(生豆に大量に含まれているトリゴネリンが、熱を加えることにより変化して生じる成分だからです)。

 要するに、浅煎りと深煎りをブレンドして飲むことによって、4つの成分がそれぞれにもつ病気予防の効果をまんべんなく享受することができるわけです。浅煎りと深煎りの豆の両方を入手したら、それを「1:1」にブレンドして飲めば、コーヒーの有効成分をまとめて摂ることができるのです。



 では、コーヒーを「飲む量」についてはどうでしょう。一日何杯までなら大丈夫かというのは、気になる人も多いと思います。

 あくまでも各人の体質や体調によって異なりますが、一日にコーヒーカップ「4杯」くらいまでなら、おおむね安全と考えてよいでしょう。

 たとえば、一日に飲むコーヒーの量と脳卒中になるリスクの関係でいえば、1杯、2杯とコーヒーの量を増やしていくにつれてリスクは下がり、4杯のときに最も小さくなります。それを超えると逆に上昇してゆき、9杯に達すると薬事法によるカフェイン摂取量の上限に達します。



 最後に、健康を意識した美味しいコーヒーの淹れ方をご紹介しましょう。

○ 浅煎りと深煎りを1:1にブレンドしたコーヒー10gを用意する。

○ 90℃以下のお湯で、ゆっくり抽出する(布または紙のフィルター)。

○ 最初に出てくる50ccを飲む。

 最も美味しいのは「最初に出てくる50cc」までで、そこに有効成分の90%以上が入っているのです。その後から出てくるのは雑味で、抽出すればするほど不味くなります。

 ちなみに、こうして抽出したコーヒーの有効成分は一日は持ちますので、私は朝淹れておいたものを、夕方にも温めて飲んでいます。

…




出典:
致知2014年4月号「コーヒーで病気を防ぐ」岡希太郎