2016年6月17日金曜日
エコゆえの「ゴミ不足」 [ドイツ]
US『Wall Street Journal』より
ドイツ
エコライフがあだに?
「ゴミ不足」に悩む環境先進国の打開策
モノを欲しがらず、無駄にせず、まだ使えるモノは再利用する。そんな国民が多いドイツで、いま「ゴミ不足」問題が発生している。
同国では家庭ゴミの埋め立て処理を止めたため、ここ10年でゴミ焼却発電施設が多く建設されてきた。ところが、すでに高水準にあったリサイクル率が国民の努力でさらに引き上げられたので、施設で燃やすゴミが足りなくなってしまった。不況や人口減少の影響もあり、毎年、数百万トンのゴミが不足している。
そこで、この問題を解決するためにドイツは英国、アイルランド、イタリアやスイスなどの近隣諸国から船やトラックに載せて「ゴミを輸入」するようになった。
中堅都市マクデブルクで消費される電気の3分の1は「ゴミの焼却」によって発電され、約5万世帯分に相当する。だが、同市ではゴミが慢性的に不足しており、英国のマンチェスター市から毎日ゴミが運び込まれてくる。
マンチェスター市としては、ゴミを英国内で埋め立て処分すると高額の税金が徴収されるため、国外に「輸出」したほうが得なのだ。
しかし、他国のゴミを輸入することに反対する国民は少なくない。
ドイツの港町ブレーマーハーフェンでは昨年、ハンブルク向けのゴミを載せた船の「悪臭」で、住民から苦情がきた。
さらに、ゴミ不足のためゴミ焼却発電施設を一部閉鎖する自治体もでてきた。だが、前述のマクデブルク市のゴミ焼却発電施設は今後も他国からのゴミを受け入れる予定だ。
同施設の職員はこう話す。
「『ゴミ』を輸入しているという言い方は、やめてください。ゴミではなく、貴重な『エネルギー源』なのですから」
…
from COURRiER Japon(クーリエジャポン) 2016年 01 月号
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