2016年6月15日水曜日
イスラエルの水の70%は「元海水」
『ル・モンド』より
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「生活用水の半分以下の降水量」しかないイスラエルは、常に水不足に苦しめられてきた。
2009年まで続いた旱魃で地下水も枯渇し、対策を迫られた政府は水道料金を上げ、下水の再利用も推進。その結果、水の消費量は20%も減少。そして下水の86%が再利用されるようになり、農業用水の3分の2をまかなえるようになったのだ。
さらに政府は大量の資金を投入し、最新技術である逆浸透法を活用した海水淡水化プラントを次々と建設。2015年末に5つ目のプラントが稼働すれば、イスラエルの全過程が消費する水の70%が「元海水」となる。
ただし、環境活動家たちは、海水淡水化プラントはエネルギーを浪費し、CO2も大量に排出する施設だと批判する。また、処理後の塩分の濃い海水を海に流すことで、生態系に悪影響を及ぼす懸念もある。
だが、一連の「水革命」によって、イスラエルが「水であふれる国」に変わったのは事実だ。
そして中東の勢力地図は、石油ではなく「水」が変えつつある。パレスチナでは、水の分配が紛争の原因になっているからだ。ある環境NGO幹部はこう語る。
「いまやイスラエルは、自分に都合のいい和平を実現するカードを手にしてしまいました」
これからの中東では、水が安全保障のカギを握るのだ。
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引用:COURRiER Japon(クーリエジャポン) 2016年 01 月号
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