2018年6月24日日曜日

「ピンクの机」とアインシュタイン【野田佳彦】


From:
素志貫徹
内閣総理大臣 野田佳彦の軌跡
松下政経塾 (著)







今年はじめ、ある新聞の投書に目がとまりました。

ある小学校の図工の授業で、机の絵を描いたそうです。生徒はみな、机を茶色で描きましたが、一人の少女だけが「ピンク色」の机を描きました。

そうしたら、先生にこっぴどく叱られて、泣きながら家に帰ったという、少女の祖母の投書でした。

これを読んで、とても悲しい気持ちになりました。こんな教育をしていたら、日本からピカソみたいな芸術家は絶対に生まれません。



10年ほど前にも、似たような新聞の投書がありました。

テストで「雪がとけたら何になる?」という問題が出されました。答えは水。しかし、ある少女は「春」と答えました。雪国に住む子どもだったのかもしれません。でも、答案用紙には「X」がついていたそうです。



「ピンクの机」を描いた子も、「春になる」と答えた子も、いずれもユニークかつ素敵な感性の持ち主ではないでしょうか。でも、子供の個性や創造性は、いっさい評価されないのが、現状の教育です。





野田はまた、千葉県の高校における「退学者数の増加」にも心を痛めている。(中略)学業不振や学校不適応などが主な原因であるが、なかには、たった一教科の単位を落としたために留年し、最終的に中途退学になってしまった生徒もいたという。

野田は、物理学者のアインシュタインが子供のころに、理科と音楽以外の教科がまったく駄目だったという話を挙げて、

「もし、アインシュタインが本県の公立高校に通っていたならば、はたして進級・卒業できるでしょうか?」

と、画一的な教育に疑問を呈している。そして、「さらば平均点、伸ばせ個性の芽」をスローガンにして、たびたび教育問題に斬り込んでいったのだ。





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素志貫徹
内閣総理大臣 野田佳彦の軌跡
松下政経塾 (著)



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