2020年3月3日火曜日
上げ潮『ナイジェリア』[Newsweek]
from Newsweek
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30年後には、ナイジェリアは人口でアメリカを上回るとみられている。今世紀末には、インドと中国に次いで、世界第3位の人口大国になる見通しだ。
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問題の多くは石油に起因する。原油生産の収入は1日約1億ドルだが、人口が多いため国民一人あたりでは0.5ドル程度。全員を豊かにするには不十分だが、一部の人間は大金持ちになれる。石油収入の80%は全人口の推定1%が独占している(輸出の97%を原油が占める)。
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経済の変革は困難だが、不可能ではない。毛沢東が死去した1976年、中国の一人当たりGDPは約200ドル(インフレ調整後)。世界の最貧国の一つだった。だが2年後、改革開放路線に舵を切ると、爆発的な経済成長が始まった。今や一人当たりGDPは1万ドルを突破。8億5,000万人が貧困から抜け出した。
現在のナイジェリアの状況は当時の中国に驚くほど近い。1978年の中国の貧困率は、ナイジェリアとほぼ同じ55%。成人識字率は65%で、ナイジェリアは62%。今の中国の貧困率はほぼゼロで、識字率は97%だ。
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ナイジェリアの約2億の人口は、全アフリカ諸国の平均の10倍。既にロシアより多く、30年以内にアメリカも抜く。国連によると、今世紀末までに7億3,300万人に達すると推定されている(5億3,200万人増)。
加えて若年人口が多いという強みもある。ナイジェリアは南アフリカを抜き、今やアフリカ最大の経済大国だ。
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ナイジェリアの最も価値ある輸出は今や石油ではなく、人間だと指摘する人もいる。今では約5,000万人のナイジェリア人が、米英などの国外在住者。彼らの教育レベルは高い。
全米ナイジェリア人の3分の1近くが修士号や博士号を持つ。国外で働くナイジェリア人からの年金送金額は最高400億ドルとの試算もあり、外国からの援助額を上回る。
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かつて、「今後著しい経済成長が見込める国」といえばBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)のことだったが、今はMINT(メキシコ・インドネシア・ナイジェリア・トルコ)だ。
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サム・ヒル(作家・コンサルタント)
『上げ潮ナイジェリアが次の中国になる日』
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2020年2/18号[新型肺炎 どこまで広がるのか] (日本語) 雑誌 – 2020/2/12
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