「元服」というのは武士の儀式であるが、それを幕末以来、160年以上脈々と受け継いでいる地区があるという。
岩手県大船渡市の佐野地区。地元の中学生は「15歳」になると伝統の元服式が執り行われることとなる。嘉永四年(1851)から一回も休むことなく行われており、今年で162回目を数えたとのこと。
儀式自体は非常にシンプル。君が代を斉唱した後、新成人が守るべき「嘉永四年の定(さだめ)」が読み上げられる。最後は契の杯(ブドウ液)を飲んで、正式に元服となる。
以下は、幕末以来の教えである「嘉永四年の定」の抜粋である。
自慢は知恵のゆきあたり
奢るものの末は、世上の厄介
堪忍のならぬは、心の掃除たらぬため
家内喧騒は貧乏の種まき
…
われ良きに、人の悪しきはなきものぞ
人の悪しきは、みな我が悪しき
出典:致知2013年1月号
「震災で知った元服式に込めた先人の思い」
0 件のコメント:
コメントを投稿