2014年3月11日火曜日

最も完全な構成をなす『サンスクリットの50文字』



 サンスクリット語のアルファベットは、その構成が理想的で、”50の文字”から成り、その各々の発音は一定不変である。

 ジョージ・バーナード・ショーは、例のウィットに富んだ調子で、ラテン語を基本にした英語のアルファベットの表音上の不完全さをいみじくも指摘し、「そこでは26の文字が、音の表現を果たしきれずにもがいている」と述べている。

 彼はまた、「英語に新しいアルファベットを導入するためなら、いかなる文化的闘争も辞さない」と強調して、42文字から成る新しいアルファベットの採用を提案している(Wilson "Miraculous Birth of Language" の序文)。そうなれば、50文字で構成されている完全なサンスクリット語の表音体系にかなり近づくことになる。



 インダス河の渓谷から発見された印形は、サンスクリットのアルファベットがセム語から取り入れられた、とする多くの学者たちの説をくつがえそうとしている。最近、モヘンジョダロとハラッパーにおいて、2〜3の古代ヒンズー都市の遺跡が発掘されたが、それらは、われわれがわずかに想像できるにすぎない有史以前のころに、インドの土地にすぐれた文化の歴史が存在していたことを物語っている。

 もし大昔、この地球上にきわめて進んだ文明時代が存在した、というヒンズーの所説が正しいとすれば、世界で最も古い言葉であるサンスクリットが”最も完全な構成”をなしているという理由もうなずけることになる。

 アジア協会の創立者、ウィリアム・ジョーンズ氏は、「サンスクリットの起源が何であれ、それはまったく見事な構成をなしており、ギリシャ語よりも完全で、ラテン語よりも豊富で、また、そのいずれよりも優美に洗練されている」と語っている。



 サンスクリットの語源”Sanskrita”は、”洗練された、完全な”の意。サンスクリットは、インドやヨーロッパのどの言語よりも古いとされる。

 そのアルファベットの字体は”デーヴァナーガリ(神のすみか)”と呼ばれている。古代インドの偉大な哲学者パーニニは、サンスクリットのもつ数学的、心理的完全さを賞賛して「わが文法を知る者は、神を知る者である」と言っている。

 言語の源をあくまで追求していけば、最後には、宇宙のすべてを知ることになるのかもしれない。




引用:『あるヨギの自叙伝』訳注より


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