話:甲野善紀
韓先生(韓競辰)の教えで深く印象に残っているものに、「これがいいという感覚を覚えておいて、再現してはいけない」というのがあります。
「それがいい」と言われると人はつい、その感覚を覚えておいて再現しようとしてしまいがちですが、それがいけないんですね。スポーツなどではよく、「この感覚を忘れるな」と言いますが、それとは逆。これは、「この感覚を忘れないようにしよう」と思うと頭でそれを覚えるから、いわば三次元的なものを平面化してしまうので、その良かった動きができなくなるわけです。
だから、ある動きをして「あ、これはいいな」と思っても、放っておけ、忘れろ、と言われます。それが身体で自然に出るようになればいいんだ、と。それは、身についたら忘れるべきことなんですね。
…
引用:甲野善紀『
賢い身体 バカな身体
』
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