魔高一尺,道高一丈
魔物が一尺
(30cm)高くなれば、道は一丈
(3m)高くなる。
[最後は正義が勝つ]
NHKラジオ レベルアップ中国語 2015年 10月号より
”魔高一尺,道高一丈”は、近代になって生まれた新しい言い方で、明の時代から使われていた古い諺
(ことわざ)は、今と正反対の
道高一尺,魔高一丈
だった。原義は
「悟りを求める修行者が道の高みを一尺(30cm)
のぼると、その10倍の高さの一丈(3m)
ほどの背丈の邪悪な魔物が立ち現れ、修行者の邪魔をする」
転じて「一難去ってまた一難」。
「ちょっとうまくいったと思ったら、もっと大きなトラブルが待ち受けていた」という意味でつかう。
しかし20世紀、中国が革命と戦争に明け暮れると、「正義は必ず勝つ」という信念から
”魔高一尺,道高一丈”という逆の言い方が生まれ、今日ではこちらのほうが主流になってしまった。
近代中国の作家の魯迅は、古来からある諺
(ことわざ)
”不打落水狗”
水に落ちたイヌは叩くな
をもじり、わざと逆にして
”痛打落水狗”
水に落ちたイヌは叩くべきである
と言った。ここで言うイヌは「敵」の比喩である。
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