液晶画面に「イリジウム」
半導体に「ガリウム」
電池には「リチウム」
これらは電気製品に使われている「レアメタル」の一例である。
そして自動車には、排気ガスをきれいにする触媒としてレアメタルの一つ、「プラチナ」が使われている。
ところで、その「プラチナ」、日本ではまったく採れない。世界中を見回せども、その採掘場所は極めて限られた、南アフリカの一地域にしか確認されていない。
プラチナの埋蔵量は南アフリカに集中 |
南アフリカの「プラチナ鉱山」地帯 |
プラチナの安定供給をめざし、宮武修一さんは南アフリカでプラチナ探しをはじめた。
宮武さんは言う。
「地表部分は、もう隈なく調べられていました。後発のわれわれとしては、いまだ探査のおこなわれていない場所を探すところから、まずスタートしました」
南アフリカは広い。
いったいどうやって独自の鉱床をさがすのか?
そこで用いられたのが、「重力探査」という方法だった。
地球の重力というのは実は、地域によって微妙に異なっている。
というのは、地下に比重の大きい物質、つまり重い物質が埋まっていると、その場の重力は大きくなるのである。
重力は均一ではない |
宮武さんは言う。
「白金(プラチナ)を含む石は重いんです」
重力探査の結果、従来のプラチナ鉱山(下図、白枠内)の北側にもプラチナの鉱床が伸びている可能性があることが判った(下図、黒枠内)。
赤やピンクが、重力の大きな場所 |
磁気調査なども併用し、いよいよボーリング。
すると案の定、地下600m辺りからプラチナ鉱床が発見された。
宮武さんは言う。
「非常に大きなプラチナ鉱床です。南北13km、地下1,000mをこえて連続していることが、現在わかっています。これから、いったいどれだけ大きい鉱床に発展するのか、今後の探査が楽しみです」
出典:NHK高校講座 化学基礎
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