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2017年9月23日土曜日

もし起動が10秒速くなれば…[Steve Jobs]


 If it could save a person's life, could you find a way to save ten seconds off the boot time.
もし10秒、起動が速くなれば、何十人もの命が救えるんだ。

Steve Jobs
スティーブ・ジョブズ



〜引用:『人生を変えるスティーブ・ジョブズスピーチ』





ある日、ジョブズが Macintosh の起動が遅く、イライラしているときに、担当者を呼び出して

「もっと起動を速くろ」

と不満をぶつけていました。言い訳をする担当者を無視して、次に出てきたのがこの言葉です。さらにジョブズはその理由を

「将来的には、マックユーザーは500万人に達する。彼らが1日一回は起動すると仮定するとして、起動時間を10秒短くすれば何が起こるか? 500万人分だから、1日で5,000万秒も短縮できる。一年なら、人間の寿命の何十倍にもなるだろう。考えてみろよ。もし10秒起動が速くなれば、何十人もの命が救えるんだぞ」

と、かなり強引なこじつけを唱えます。しかし、それからわずか2〜3ヶ月後には、起動時間が10秒以上短縮されたのです。このようにジョブズには、マックチームに「現実歪曲空間(Reality Distortion Field)」と名付けられた不思議な力があったとされています。それは現実的に厳しいスケジュールや常識的に難しい要求でも、ジョブズに説得されてしまうと、誰でも何でも受け入れてしまうという能力でした。ジョブズならではの説得力というよりも、何とかしてみようと思わせる人間力があったのかもしれません。








2016年1月19日火曜日

バックステージに消えた、スティーヴ・ジョブズ



話:David Gelles








1981年6月6日の土曜日、蒸し暑い夏のボストン。

ボストンコモン公園にほど近い巨大ホテル、パークブラザの天井の高いボールルームには、オタク風情の聴衆がシャンデリアの下でひしめき合い、時代の予言者として崇められている男の登場を待っていた。

群衆のほとんどは若い男性で、パーソナルコンピュータの熱狂的なファンであり、のちに私たちの生活も仕事も一変させる大革命の先陣を切るコンピュータマニアたちだ。彼らの待ち望んでいるゲストは、スティーヴ・ジョブズだった。





当時まだ26歳の若者だったジョブズは、ほんの数ヶ月前に突如、世界的なスターダムにのし上がっていた。彼が友人と設立した企業、アップルは、上場を果たしたばかりだった。フラッグシップとなる製品、アップルⅢは人々のテクノロジー利用に革命を起こし、彼の資産はすでに2億5,000万ドルに達していた。

ジョブズはボストンのアップル・フェスティバルでスピーチする予定だった。当時18歳のコンピュータの天才、ジョナサン・ローテンバーグがアップル製品の熱狂的ファンのために開いたイベントだ。それはジョブズの知らないところで企画されたものだったが、若く野心的なこの主催者に自分と共通するものを感じたのだろう、ジョブズは直前になって参加を承諾した。

贅肉のない細身の身体に堂々たる髭を蓄え、黒々とした長髪は耳を覆い首まで達していた。ダークスーツに青いドレスシャツ、ブラックタイといういでたちでなければフォークシンガーといったところだ。ワイドフレームの眼鏡が角ばった顔を半分以上覆っていた。彼は暑さのために上着を脱ぎ、肩にかけていた。



昼食後、ジョブズとローテンバーグはパークプラザに戻った。その日、数百人のファンたちは、最新のアップルコンピュータをいじくり回し、情報を交換し、コンピュータが自分の人生を、そして世界を今後数年でいかに変えるかを夢想していた。今や彼らはボールルームに集結し、自分たちの夢を実現させた男の登場を今か今かと待ち構えていた。

ジョブズは若さに似合わず沈着冷静で、億万長者に相応しい満足げな笑みを浮かべていた。とはいえ、1,000人近いもっとも忠実なファンを前にして、さすがのジョブズも緊張気味だった。彼らはジョブズの製品の初期からのファンであり、アップルを存続させるためにはなくてはならないハードコアユーザーだ。

基調講演の10分前、ステージの裏手では10代のローテンバーグがやはり神経を尖らせていた。基調講演の直前、二人は雑談しながらも気もそぞろだった。突然ジョブズが言った。

「ジョナサン、悪いけどちょっと失礼するよ」



ローテンバーグが振り返ると、すでにジョブズの姿はなかった。

本番直前のあがり性か?

トイレにでも行った?

あるいは、風変わりな行動で知られる彼一流のいたずら心だろうか?



長い数分間が過ぎ、ステージの向こうにはしびれを切らした聴衆が見えた。開始まであと4分。ローテンバーグはパニックに陥った。もしジョブズが恐れをなして逃げ出したのだとしたら、アップル・フェスティバルは最悪の結果を迎える。ローテンバーグはこき下ろされるだろう。

彼はジョブズの姿を求めてバックステージを捜し回った。さらに数分が過ぎた。ジョブズの姿はどこにもない。そしてついに、散らかった舞台裏の一角にジョブズの姿を見つけた。



ジョブズは地べたに足を組んで座っていた。

身体をまっすぐに伸ばし、壁を向いて微動だにしない。自分の人生でもっとも重大な瞬間の一つを目前にして、ジョブズは瞑想していたのだ。バックステージの混乱をよそにジョブズがさらに数分間の静寂のときを過ごすのを、ローテンバーグはじっと見つめていた。

ついにジョブズはおもむろに立ち上がり、ローテンバーグに笑顔を向けながらステージに向かって歩き出した。

カーテンの向こうから現れたジョブズにスポットライトが当たると、聴衆は熱狂の叫びを上げた。







混乱のさなかでのジョブズの冷静さと集中力は、彼を偉大なリーダーたらしめた資質の一つだ。彼は完璧とはほど遠い人間だったが、その集中力と洞察、想像力は、彼とアップル社を抜きんでた存在にした。

バックステージでジョブズは、聖なる存在に祈っていたのでも、曼荼羅をイメージしたり、マントラを唱えていたりしたわけでもない。おそらく彼は、瞑想の師に教わったシンプルなこと−−自分の呼吸と身体に注意を向け、心の中に湧き上がる考えを、判断を加えることなくただ観察する−−を行っていたに違いない。

彼は「マインドフルな瞬間」に浸っていたのだ。









引用:マインドフル・ワーク 「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える




2015年4月23日木曜日

日本の「デザイン」の勘違い



「アップルのデザインはすごい」

よく、そう言われる。






パッケージまでが美しい。

アップルストアの陳列は芸術的だ。

後藤鉄兵「アップルはパッケージに関しても徹底しているんです。アップルは『パッケージに関するレギュレーション』を細かいところまで決めているんです。アップルは写真の見せ方から外周サイズ、厚みまで完璧に決めています」



その厳しいレギュレーションは、自社製品のみにとどまらない。他社製品にも厳格な要求が突きつけられる。「うちは赤いパッケージでいきたいんだ!」などと言っても決して許されない。

道家剛史「アップルの恐ろしいところは、他社製品にまで『同じレギュレーション』を求めてくるところですね。iPhone ケースひとつとってみても、メーカーなんて星の数ほどあるわけですよ。パッケージだって当然いろいろです。だけど、一度『アップルストアに置く』となったら、アップルから指示がくるわけです。パッケージのサイズはこれ、厚みはこれ、この表現はNGといった具合に」

後藤鉄兵「はっきり言って横暴ですよね(笑)」






なぜアップル社は、そこまでパッケージにこだわるのか?

後藤鉄兵「ユーザを大事にしているからです。アップルはユーザが製品を選びやすいように細かくレギュレーションを決めて、売り場を作っているのです。パッケージに統一感があるほうが、ユーザは比較検討しやすいです」

もし「小売店の声」を優先させれば、パッケージは小さくなる。その方がたくさん置けるからだ。逆に「販売メーカーの声」を優先させれば、パッケージは大きくなる。その方が目立つからだ。

たとえば日本では、販売メーカーの声が大きい。その結果、家電量販店のアクセサリ売り場は「キラキラしたシールがたくさん貼られたパッケージ」でごちゃごちゃになってしまっている。ユーザはどれを買っていいか迷うばかりだ。



後藤鉄兵「世界中にアップルストアがありますが、言語や文化が違っても、おそらくアップルのパッケージや広告はどの国でも『同じ雰囲気』で統一されているはずです。そのように徹底されているんですね」

道家剛史「パッケージって、商品の中身を伝えることだけじゃなく、『雰囲気を伝える』という大事な要素もあるんですよね」






なぜ日本のメーカーは、アップルのようなパッケージ・デザインができないのか?

後藤鉄兵「そもそも日本では、『デザイン』という言葉が誤解されているからです。デザインっていうと、誰もが製品の見た目のことだと思いますよね。それは違うんですよ。見た目は『グラフィック』、つまり意匠です。デザインというのは、製品をどこで売って誰が使うのか、競合はどうしているのか、だったら自分たちはどういう『コンセプト』を打ち出すべきなのか。それらを考えるのがデザインなんですよ。見た目っていうのは、その最後の結果に過ぎないのです」

「日本のメーカーがパッケージのデザインを決める場合って、おそらく複数のパターンをつくって、そこから『お偉いさんの意見』を集めて皆が納得いくものをつくる、みたいなやり方をしているのでしょう。デザインを頼むとき、『とりあえず3パターンつくって出してみて』とか、意味がわからない。『え、まさか、そこからお偉いさんが選ぶつもりなの?』って思いますよね」

「デザインをデザイナーにお願いするってことは、『デザイナーが決定権をもつ』ということなんです。パッケージ・デザインを決めるのはデザイナーであって、ほかの誰でもない」



道家剛史「そういう意味では、スティーブ・ジョブズ(前アップルCEO)はデザインをしていたってことなんです。実際に手を動かしていたのは彼じゃないかもしれないけど、アップル製品のデザインをしていたのはジョブズなんです。だからアップル製品やアップルストアなどのデザインは、明確な統一感があるのです」






日本のメーカーがすべて駄目なわけではない。

たとえば「AndMesh(アンドメッシュ)」






この製品のパッケージは洗練されている。

ボール紙のフタにマグネットがついている。

道家剛史「アンドメッシュのパッケージは紙製だし磁石も使っているしで、よく『原価が高いでしょ』って言われるんですが、実のところは通常より安いんです(笑)」

この道家氏、AndMesh(アンドメッシュ)のデザイナーだ。

「なぜ原価が安いのかというと、AndMesh のパッケージ、折ってるだけで組み立ててないんですよ。折るのは機械で自動化できますが、組み立てる場合は人の手でないとできないので、人件費が発生するんですね。海外製の安い iPhone ケースのパッケージも、実はこの組立コストが発生しているので、中国で作らざるを得ないんです。中国と日本の何が違うって、金型費と人権費ですから」






アップル製品のアクセサリの95%、海外製に占められている。そんな中、道家氏は頑なに「Made in Japan」で日本の技術力を世界に示そうとしている(あらゆる行程を日本国内で完結)。

「日本でモノづくりしている人は、よく『日本はコストが高くてパッケージができない』って言うんですね。でも、それは違うんです。やりかた次第でコストは下げられるんです。金型が高いなら『製品を絞り込めばいい』し、人件費が高いなら人間の手がなくてもできるよう『機械で自動化できる製品をつくればいい』。そういった工夫をしているからこそ、僕らは100% Made in Japan でやれているわけです」






デザインとは何か?

それは製品の外観だけを意味しない。外観はデザインの一部、コンセプト(内面)の結果にすぎない、と道家氏は言う。



どうやって作るのか?

どうやって売るのか?

いったい何を伝えたいのか?



日本のデザイン観が表面的である一方、世界のデザインは奥が深い。

日本と世界における「デザイン」は、かくも異なっているようだ。












(了)






ソース:MacFan 2015年 05月号 [雑誌]
パッケージとデザイン「垢抜けない日本のアクセサリ」



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2015年4月17日金曜日

アップルの歴史的デザイナー [Jonathan Ive]







Jonathan Ive (ジョナサン・アイヴ)

いわずと知れた Apple (アップル)のトップ・デザイナー。iPhone, iPad, MacBook などなど、彼の手によって形作られてきた。

”坊主頭に短く整えたアゴひげをたくわえた彼は、屈強なラグビー選手のような体格だが、遠目に見ても大らかな印象だ”
(WIRED)




”おそらく、北朝鮮の閣議室よりも潜入しにくいのが、『アップルのデザイン・スタジオ』だ。スモークを貼った窓の向こうには、アイヴの妻さえも足を踏み入れたことはなく、何をつくっているのかすら教えてもらえないらしい”
(WIRED)


その密室に流れるBGM。

アイヴは言う。

「文章を書くときは静かでなければダメなのに、デザインをするときは静寂に耐えられないんだ」

彼はかつて、スティーヴ・ジョブズがスタジオにやって来るたびに、音楽のボリュームを上げていたという。

”ジョブズの批判を聞かなくて済むように、調子を狂わされないようにするためだった”と彼は言う。






故アップルのCEO、スティーヴ・ジョブズ(Steeve Jobs)

彼がアイヴの才能を”有効化”したとされる。

Jonathan Ive
「世界のとらえ方が”自分はかなり独特だ”と感じるとき、なんとなく仲間はずれにされたような寂しい気分になるよね。たぶん、ぼくらは同じ世界を同じように見ていたんじゃないかな」

アイヴはイギリス・ロンドンのはずれ、チングフォードで育った。森で遊ぶのには、うってつけの土地だった。祖父はエンジニア、父親は銀細工の職人だった。高校では彫刻や物理を学び、1985年にニューカッスル・ポリテクニック(現在のノザンブリア大学)のデザイン科にすすむ。大学卒業後、小さなデザイン・コンサルタント(社名『タンジェリン』)で働いていたところを、アップルに見出された(1992年)。



ジョブズと出会ったのは、アイヴがアップルに幻滅して会社を辞めかけていた時。1997年、アップルを追放されていたジョブズが帰ってきた時だった。

「コンピューターはなにも、”NASAの一室にあるような外観”である必要はない」

2人の一致した意見だった。



2人はすぐに意気投合。最初の大ヒットとなったのは「カラフルな、キャンディ色のiMac」。革命的なデザインでありながら、親しみやすい友達のような製品だった。

Jonathan Ive
「ぼくらが心を込めて取り組んでいたのは、新しくて革新的だけれども、同時に”どこか親しみのあるもの”を生み出すことだったんだ」

批評家たちは、ジョブズとアイヴのパートナーシップを『プロダクト・デザインの黄金期の幕開けだった』と語る。






2011年、ジョブズの追悼式では、アイヴもステージに上がった。普段は公の場に立たないアイヴも、”この時ばかりは”と大親友のために壇上に立った。

Jonathan Ive
「たぶん彼(ジョブズ)は誰よりもよく理解していたんだと思います。アイディアが最終的には強力なものに成りうるとしても、その始まりは脆(もろ)く、”ほとんど形すら成していない思いつき”であることを」







アイヴは「不思議なくらい控えめだ」と、彼を知る人々は語る。

友人かつ隣人であるトレヴァー・トレイナは言う。

「ジョニー(アイヴ)は偉ぶらず、目立ちたがらず、自分の功績を笠に着たりしない。彼はうわべだけの華やかさに惑わされたりはしないんだ」



香港生まれの実業家、デイヴィッド・タンは言う。

「彼はインターネットが爆発的に普及したとき、まさにその中心にいたにも関わらず、”無名だった”と言っても過言ではない。彼がもっと広く話題にされないことが驚きだ」






アイヴは妻と息子たちとともサンフランシスコに暮らす。

Jonathan Ive
「10歳の息子たちとは、ぼくが昔していたようなことをして過ごすのが好きなんだ。なにかモノをつくったり。モノというのはヴァーチャル(仮想)ではなく、リアルなモノだ。絵を描いたり、なにかを作ったり、”直接やってみること”を学ぶのが大切なんだ。自分であれこれいじってみてね」


アイヴは木工が大好きだ。


Jonathan Ive
「ぼくのバックグラウンドの大半を占めるのは、自分の手で物理的に”なにか”をつくり出すことだからね」

彼は、デザインの才能を目立たないように使ってこそ、最高の仕事ができると考える。

Jonathan Ive
「おかしな皮肉だよね。”これはデザインではない”と思わせるのが、ぼくのゴールだと思うんだから」






たまの休暇に、アイヴはロンドンを訪れることが多い。

そして家族で、マーク・ニューソン(Marc Newson)に会いにいく。ニューソンはオーストラリア出身のデザイナーで、アイヴとは15年来の親友。アイヴが首からかける老眼鏡は、ニューソンのデザインしたものだ。

”ニューソンのデザインは、あらゆるものを有機的な曲線で包み込む。そんなデザインを月並みな言葉で表現すれば、「やさしく愛着がわく」ということだろう”
(MacFan)

ニューソンは日本企業とのコレボレーションも多い。たとえば携帯電話「タルビー(talby)」、ペンタックスのカメラ「K-01」などなど。






ニューソンは言う。

「嫌いなものをわざわざ口に出す必要もないくらい、ぼくらは気が合った。ものを見て、顔を見合わせて、あきれた表情をするだけでいいんだ」

お粗末なデザインに対してニューソンは厳しい。たとえばアメリカの車は、「まるで巨人がマフラーにストローを突っ込んで膨らませたみたいだ」と”忌み嫌う”。



アイヴとニューソン、この2人は2013年、U2のボノのために MacPro (Redモデル)やライカのカメラなどを手掛けた。ボノの設立したチャリティ団体「(Red)」のオークションに出品するためだった。お互いがキュレートした製品の落札価格は1,300万ドル(約15億円)近くに達した。

ボノは言う。

「2人は、”生まれてすぐに引き離された二卵生双生児”という感じだ。互いの食べかけだって、食べることができるんだ」






「いい感触だろ?」

アイヴがそう言って手渡したのは、真新しいアップル・ウォッチ(Apple Watch)。

「すばらしいだろう?」

親友ニューソンとともに作りあげた最新作。

”アイヴらしいメタルのテクスチャと、ニューソンらしい曲線。それら2人のデザイン哲学が融合されて、両者の感性がシンプルなかたちで落とし込まれている”
(MacFan)






Jonathan Ive
「へんな気分だよ。一つのものに3年も取り組んできたんだから」

かつてスマートフォンが葬り去ったはずの腕時計。それをまた、アップル・ウォッチによって人々の手首に戻そうとしている。スマートフォン(iPhone)と新たな連携をはかって。

Jonathan Ive
「この途轍もなくパワフルなテクノロジーを個人が身に着けるために、人々がいかに奮闘してきたか。ぼくらがしようとしてきたことはすべて、”どこまでもピュアで、どこまでもシンプルなものを追い求めること”なんだ」






自分がつくっているものが世界をより良いものにするのか、それとも人間をダメにしてしまうのか。

これは”職人の息子”としてアイヴが絶えず自問していることだ。

Jonathan Ive
「これで君は、”ぼくの鼓動”を感じることができるんだ」

アップル・ウォッチはそれを身に着けている人の鼓動を、相手に送ることができる。ユーザーの脈打つ手首を、アップル・ウォッチは正確に測定し、送信するのである。







アイヴの仕事部屋は白一色に統一されている。

その中で唯一異質な「黒いテレビ」。アップル製ではない。

”アップルはいつテレビ、あるいはそれに取って代わるものを出すのか?”

そんな問いを象徴しているかのようだ。



アイヴはデザイナーとして野心を静かに語った。

「とにかく、”まっとうで理に適ったオルタナティブ(代わりになるもの)など存在しない”という意識をもつことだ」






Jonathan Ive
「おもしろいよね。なにかを味見して変な味だと思ったら、その”食べ物がおかしい”と考える。それなのにどういうわけか、人は何かを操ろうと苦戦しているとき、”問題は自分にある”と考える」






(了)






ソース:WIRED
ジョナサン・アイヴが答えた「アップルのデザイン」
そのルーツから Apple Watch に至るまで



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