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2015年11月23日月曜日

ジャータカ『兎の話』 [スマナサーラ長老]




手塚治虫『ブッダ』は、焚き火に飛び込むウサギのシーンで幕をあける。





吹雪に行き倒れる僧侶

その身を案じる、クマ、キツネ、そしてウサギ。

これら3種の動物たちは、それぞれ彼らの糧を僧侶に与えようと考える。クマは魚を、キツネはブドウを。だが、ウサギだけは雪中に食を見い出すことができなかった。

ウサギは僧侶に「火をおこせ」と求める。

そして、その火に飛びこみ、自らの身を焼くのである。





…


「アシタさま、ウサギが自分で自分の身を焼いて、その僧に食べられるなんて…」

アシタ「その話は、わしの師、ゴシャラさまのご体験によるものじゃ。だから、ほんとの出来事だよ。ゴシャラさまは、この信じられぬ出来事に、強いショックをおうけになってな…。そのまま、まるで魂をぬかれた人のようにフラフラと里へおり、そのまま10日も寝込んでしまわれた」


…



この話は、仏教の経典『ジャータカ(お釈迦さまの前世物語)』に語り継がれているものである。

以下、スリランカ初期仏教長老、スマナサーラ氏の語るジャータカ、『兎の話』である。






〜話:スマナサーラ長老〜



兎の話



その昔、菩薩(釈尊の前世のことです)は兎として生まれ変わりました。その兎は、猿、キツネ、カワウソという三匹の友達と森の中に住んでいました。兎は菩薩の転生でしたので、普通の動物と違って智慧がありました。

彼らは、昼は各々えさを探しに別に行動していましたが、夜は一緒に集まりました。その時兎は・悪いこと、ずるいことをしてはいけないと戒の話を、また、自分だけ良ければいいという生き方ではなくて、他人のことも心配するべきですよと布施の話を、また、生きているものとして道徳的でモラルを守るべきですよと修行の話などを、よくしていました。



ある満月の日、兎は修行しようと思いました。三匹の友人も誘いました。皆、大変喜んで修行することに決めました。修行してもお腹が空くので、まずえさを探しておこうと思ったのです。

兎は、 「今日は修行中だから、えさをひとりで食べるのではなく、誰かに一部をあげてから食べなさい」 と、注意しました。

そこで、カワウソが川で人が魚を釣ったものを見つけました。キツネは畑仕事の人々が食べ残した肉とチーズのようなものを見つけました。猿は木からマンゴーを取って来ました。兎は草を食べればよいので、食べ物を貯蔵する必要はありませんでした。

その代わりに、大きな悩みが出てきました。食べる前に布施をしなくてはならないと自分で決めたのに、草を乞うてくる人はまずいないでしょう。三匹の友達の食べ物は人間も食べるので、簡単に施しをできるでしょう。何か自分が偽善行為をやっているような気もしました。

「偽善になってはたまらない。誰かが食を乞うて来たら、この身体をあげます。兎の肉を食べたがる人は、いくらでもいるでしょう」と、覚悟を決めました。兎は、修行のために命まで賭けました。



天国(帝釈天)にいる天の王・サッカはこれに驚きました。

皆が正直かどうか試してやろうと、乞食に変身して、一匹ずつ訪ねました。カワウソもキツネも猿も、喜んで自分のえさの一部ではなく、全部施しました。サッカは 「後で来ますから」と言って、えさを返して兎のところに行きました。

(そして)「何か食べ物をください」と、兎に頼みました。

兎は、「それは良かった。誰にでも真似できないほどすばらしい施しをしますので、薪を拾って火をおこして下さい」と言いました。

サッカは自分の神通力ですぐ、ごうごうと燃え立つ火を作りました。兎は身体についている虫を落とすために身体を振って、火の中に飛び込みました。



身体が丸焼きになると思っていたのに、この火は熱いどころか異常に涼しかったのです。

兎は乞食に尋ねます。「善人よ、あなたの火は威勢がよいのですが、私の毛一本も燃やせるほどの熱はありません。あまりにも涼しいのです」

サッカ天は答えて曰く、「賢者よ、私は乞食ではありません。あなたの修行にかかる気持ちはどれほど正直かと試すために、天から降りたのです」。

サッカは、「善行為を行うことは、どれほど大事かと後世の人々に知らせてあげます」と思って、山を絞り、液体を出して(溶岩では?)、月に兎の形を描き遺しました。


…


引用:ジャータカ物語「兎の話」







2013年3月7日木曜日

リンカーンは、その頃…



ゲームばっかして勉強しない息子に、父親は言いました。

「リンカーンはオマエと同じ年の頃、暖炉の灯りで本を読んでいたぞ!」

※リンカーンとは、第16代アメリカ大統領(1861〜1856)



そう言われて、息子は父親に…、

さて…、何と言った?



息子は父親に、こう言い返しました。

「リンカーンは父さんと同じ年の頃、アメリカ大統領だったけどね」



ウハハッ






出典:宇宙兄弟(13): 13 (モーニングKC)

2013年3月2日土曜日

なぜ、人間は宇宙を目指すのか?



B.フラーは地球を、宇宙船地球号という「乗り物」だと言った。

その一方で、J.ラブロックは地球を、ガイアという「生物」だと言った。



「?」

地球は「乗り物」なのか?

それとも「生物」なのか?



その矛盾を解決するのが、R.ドーキンス。

彼は名著「利己的な遺伝子」の中で、こう言っている。

「人間は、遺伝子の乗り物(ビークル)だ」と。







人間という「生物」は、同時に遺伝子にとっての「乗り物」でもあったのだ。だとすれば、人間はいわば、地球にとっての遺伝子。地球はその乗り物であり、かつ生物でもあり得る。

「だから、(地球の遺伝子たる人間は)利己的だし、増殖も続ける」

それが遺伝子としての宿命なのだから。



そして、遺伝子が自分のコピーを作ろうとするように、人間も自分の子孫(コピー)を創ろうとする。そして、それは地球という「生物」も然り。

地球というより大きな生物にとって、人間という遺伝子は増殖する「生殖細胞」のようなもの。つまり、地球の精子たる人間が宇宙に「発射」されれば、地球のコピーが宇宙に誕生する可能性がある。

ゆえに、人間は宇宙を目指す。



そこに確たる理由はあるのか?

はたまた、突然変異にすぎぬのか?






出典:宇宙兄弟(3): 3 (モーニングKC)