2012年9月16日日曜日

「聞くだけ」ではなく、「演奏」を。脳の訓練


子供たちは「楽器」を熱心に練習すると、学業成績も良くなるかもしれない。

「タイガー・マザー」の著者であるチュアは、バイオリンとピアノを娘たちに毎日何時間も練習させたという。楽器の練習が注意力と作動記憶、自己コントロール力を高めるためだという。

ノースウェスタン大学のクラウスは、脳波データを用いた研究により、音楽の練習が生徒たちに「聞き上手」になることを示した。音楽の訓練を受けた人々は、教室などザワザワと騒々しい環境でも、話を抽出して聞くことができる。これは、音楽家がそうでない人よりも音をクリアに知覚できるのと同じである。



また、クラウスの別の研究では、「脳トレゲーム」よりも「ギター」が有益であることも示した。「ギターを演奏するには、曲を覚え、辛い練習を重ねて、何度も何度も再現を試みる必要がある」。

数年前、モーツアルトを聞かせるだけで乳幼児の知能を伸ばすというブームがあったが、それは最新の研究では否定されている。「何らかの効果を上げるには、実際に楽器を演奏して脳を鍛える必要がある」とクラウスは言う。

「演奏を練習すればするほど、音の微妙な違いを区別する能力が磨かれるのであって、聞くだけでは不十分だ」とのことである。



出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「脳科学が教える 学び上手にする方法」

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