「やさしさこそが大切で
悲しさこそが美しい」
これは、山田康文くんの詩の一節。彼は生まれた時から全身が不自由で、口も利けなかった。重度の脳性麻痺である。
「ぼくさえ生まれなかったら
かあさんの白髪もなかったろうね
大きくなったこのぼくを
背負って歩く悲しさも
『かたわな子だね』とふりかえる
つめたい視線に泣くことも」
生前、ひと言の言葉も発し得なかった少年。
養護学校の先生の気の遠くなるような作業がなかったら、この詩が生まれることはなかった。
この詩を書き上げた2ヶ月後、少年は元いたところへ帰って逝った…。
出典:心に響く小さな5つの物語 (小さな人生論シリーズ)
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