2016年10月15日土曜日
Timmy' Blood
ティミーの血液
Timmy's Blood
ティミーとシンディーはいつも喧嘩ばかりしていました。
Timmy and his sister Cindy fought all the time.
2人はどのテレビ番組を見るかで喧嘩しました。
They fought over which TV show to watch.
瓶の中の最後のクッキーをめぐって喧嘩をしました。
They fought over the last cookie in the jar.
トイレを取り合って喧嘩をしました。
They fought over the bathroom.
ティミーは2歳年上でした。
Timmy was two years older.
シンディーが、野球やタッチ・フットボールの遊びに入れてもらいたくて、自分と友達の後をついてくるのが嫌でした。
He did not want Cindy following along behind him and his friends, hoping to join their games of baseball or touch football.
お兄ちゃんが家に帰るように怒鳴るので、シンディーは寂しくなることがよくありました。
Cindy often felt lonely because he would yell at her and tell her to go back home.
兄妹はほとんど毎日けんかをしていましたが、それもあるとても暑い夏の日までのことでした。
They fought almost every day, until one very hot summer day
2人とも咳をしているので、お母さんが病院へ連れて行くと、2人とも同じ珍しい病気にかかっていることが分かったのです。
when their mother took them both to the doctor for a cough, and they learned that they both had the same rare disease.
2人は数週間入院しました。
They spent several weeks in the hospital.
ティミーはゆっくりと回復しはじめました。
Timmy slowly starting getting better.
一方、シンディーは悪くなるばかりでした。
Cindy, on the other hand, was only getting worse.
彼女は弱っていきました。
She became weak.
担当医は両親に言いましいた。
Her doctor said to her parents,
「最悪の事態も覚悟しておく必要があります」
"You need to prepare for the worst."
しかし望みが一つあります、と担当医は言いました。
But there was, the doctor said, one hope.
シンディーにティミーの血をあげれば --つまり輸血をすれば-- シンディーが病気と闘う助けとなるかもしれない。
Maybe if they gave Cindy some of Timmy's blood --a transfusion-- his blood might help her fight the disease.
ティミーはずいぶん回復したので、彼の血液にはシンディーに必要な抗体がすでにできているに違いないと。
Since he had gotten much better, his blood must already have the antibodies she needed.
担当医はティミーの病室に入っていき、尋ねました。
The doctor went into Timmy's room. She asked him,
「ティミー、あなたの血をシンディーにあげてもいいかしら?
"Timmy, do you think you would be willing to give your sister a blood transfusion?
彼女が元気になるには、この方法しかないかもしれないの」
This might be her only chance at getting better."
ティミーの顔は青ざめました。
The boy's face grew pale.
下唇が震えました。
His lower lip trembled.
今にも泣き出しそうに見えました。
He looked as if he was about to cry.
「うん、そうするよ」
"OK, I'll do it,"
彼は涙をこらえながら言いました。
he said, fighting back tears.
「シンディーが助かるならね」
"If it will save her."
担当医はすぐに輸血に必要な機器とスタッフを病室に集めました。
Right away, the doctor called into the room the equipment and the staff needed for the transfusion.
ティミーは目を大きく開いて、自分の身体から赤い血液が流れはじめるのを見つめていました。
Timmy watched, his eyes wide, as the red blood began to flow from his body.
彼は担当医のほうを向き、とても小さな声で言いました。
He turned to the doctor and said to her very quietly,
「先生、ひとつ聞いてもいい?」
"Doctor, can I ask you a question?"
「ええ、もちろん。なんでも聞いて」と担当医は言いました。
"Of course," she said. "Anything."
病室にいる人はみな静まり返りました。
Everyone in the room went quiet.
「ちょっと気になってたんだ。
"I was just wondering.
「血がなくなったら、ぼくは死ぬまでにどれくらいかかるの?
How long will it take for me to die, without my blood?
それと、痛いのかな?」
And will it hurt?"
担当医は両親のほうを見ました。
The doctor looked at his parents,
そして、この子が何を言おうとしたのか、みな気がつきました。
and all of them realized what the boy meant.
ティミーは自分の血液を全部、妹にあげているのだと思ったのです。
Timmy believed he was giving all of his blood to his sister.
彼は、血をあげることは、シンディーの命のために自分の命を差し出すことだと思い、
He thought that the transfusion meant giving his life for Cindy's,
それでも構わないと思ったのです。
and yet he was willing to do it.
「まあ、ティミー」
"Oh, Timmy,"
お母さんはそう言って、あおむけに寝た彼の、枕の上のとても小さな顔をなでようと身を乗り出しました。
his mother said, leaning over to stroke his face as he lay back, so small against the pillows.
「あなたは死んだりなんかしないのよ!
"You are not going to die!
優しい子、本当に妹のことが大好きなのね」
Sweet boy, you really do love your sister, don't you?"
お兄ちゃんが助けてくれたおかげで、シンディーは本当に元気になり、
With her brother's help, Cindy did get better,
それからというもの、シンディーとティミーは以前ほどひんぱんに喧嘩をしなくなりました。
and from that point on, she and Timmy did not fight quite as much as before.
それどころかティミーは --時々ですが-- シンディーにもタッチ・フットボールで遊びたいかどうか、聞いてあげるようになったのでした。
Timmy even --once in a while-- asked if she wanted to join in a game of touch football.
出典:英語で泣けるちょっといい話2
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