守株待兎
【しゅしゅたいと】
株を守りて兎(うさぎ)を待つ
中国の春秋時代、宋の国にある農夫がいた。畑の中に木の切り株があった。ある日、兎がその切り株にぶつかって、首の骨を折った。農夫は労せずして兎を得た。農夫は思った、この切り株で待っていれば、また兎が獲れる、と。しかし、待てど暮らせど、二度と兎は来なかった。
『韓非子』「五蠹」篇「守株」
宋人有耕田者。田中有株、兎走觸株、折頸而死。因釋其耒而守株、冀復得兎。兎不可復得、而身爲宋國笑。今欲以先王之政、治當世之民、皆守株之類也。
過去の幸運をあてにする愚かさのたとえ。
童謡『まちぼうけ』はこの故事にちなむ。
待ちぼうけ、待ちぼうけ
ある日せっせと、野良稼ぎ
そこに兎がとんで出て
ころりころげた 木のねっこ
待ちぼうけ、待ちぼうけ
しめた、これから寝て待とうか
待てば獲物が驅けてくる。
兎ぶつかれ、木のねっこ
待ちぼうけ、待ちぼうけ
昨日鍬取り、畑仕事
今日は頬づゑ、日向ぼこ
うまい切り株、木のねっこ
待ちぼうけ、待ちぼうけ
今日は今日はで待ちぼうけ
明日は明日はで森のそと。
兎待ち待ち、木のねっこ
待ちぼうけ、待ちぼうけ
もとは涼しい黍(きび)畑
いまは荒野の箒草(ほうきぐさ)
寒い北風木のねっこ
また『論語(论语)』には
工欲善其事,必先利其器
工、其の事を善(よ)くせんと欲せば、
必ず先(ま)ず其の器を利にす
という言葉がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿