2015年10月20日火曜日

切り株まもって待ちぼうけ [韓非子]



守株待兎
【しゅしゅたいと】

株を守りて兎(うさぎ)を待つ


中国の春秋時代、宋の国にある農夫がいた。畑の中に木の切り株があった。ある日、兎がその切り株にぶつかって、首の骨を折った。農夫は労せずして兎を得た。農夫は思った、この切り株で待っていれば、また兎が獲れる、と。しかし、待てど暮らせど、二度と兎は来なかった。

『韓非子』「五蠹」篇「守株」
宋人有耕田者。田中有株、兎走觸株、折頸而死。因釋其耒而守株、冀復得兎。兎不可復得、而身爲宋國笑。今欲以先王之政、治當世之民、皆守株之類也。

過去の幸運をあてにする愚かさのたとえ。


童謡『まちぼうけ』はこの故事にちなむ。

待ちぼうけ、待ちぼうけ
ある日せっせと、野良稼ぎ
そこに兎がとんで出て
ころりころげた 木のねっこ

待ちぼうけ、待ちぼうけ
しめた、これから寝て待とうか
待てば獲物が驅けてくる。
兎ぶつかれ、木のねっこ

待ちぼうけ、待ちぼうけ
昨日鍬取り、畑仕事
今日は頬づゑ、日向ぼこ
うまい切り株、木のねっこ

待ちぼうけ、待ちぼうけ
今日は今日はで待ちぼうけ
明日は明日はで森のそと。
兎待ち待ち、木のねっこ

待ちぼうけ、待ちぼうけ
もとは涼しい黍(きび)畑
いまは荒野の箒草(ほうきぐさ)
寒い北風木のねっこ





また『論語(论语)』には

工欲善其事,必先利其器

工、其の事を善(よ)くせんと欲せば、
必ず先(ま)ず其の器を利にす

という言葉がある。


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