日曜美術館
アートシーン
2015年9月6日
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詩情あふれる陶芸作品を生み出した
藤平伸(ふじひら・しん)
藤平はロクロや型などをほとんど使わず、
「手びねり」で作品を生み出しました。
陶芸家
藤平伸(当時73歳)
「私に最も適しているは、『ひねり』です。ひねって、そして自分の気持ちが非常に伝わりやすい。そのなかで形をいろいろ自由に作っていく。自分の気持ちがストレートに出しやすいということ」
「太郎の雪」
三好達治の詩を、陶芸で表現しました。
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治「雪」
手びねりの上に、ツヤのない白い釉薬を重ねることで、積もりたての雪の柔らかさが見事に表現されています。
藤平の長女、藤平三穂さん。
手の感覚にこだわった父の様子を記憶しています。
「よく父に連れられてギャラリーや美術館に行ったことがあるんですけれども、ぱーっとこう寄ってって(作品に)触ろうとするんですね、父が。それでよく(父が)怒られていたのを、子ども心に覚えているんですけれども。素材がどんなんだろう、とか、質感がどんなんだろう、というそういう好奇心のほうが勝ってしまって、そういうところが作品に出てるんじゃないかな、と思います」
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