2016年6月16日木曜日

「Made in USA」兵器の急増



US『ヴォカティヴ』より



アメリカ兵たちが続々と帰還する一方で、「アメリカ産兵器」が世界中に飛び立っていく


世界各地で駐留部隊を縮小させているアメリカだが、それと反比例するように「同盟国への武器の輸出」が急増している。

アメリカ政府を通じて他国に武器を販売する「FMS(対外有償軍事援助)」の総額は、2015年度には前年度比30%増の470億ドル(約5兆6,400億円)にまで増大。その額は「10年前に比べて5倍以上」にあたる。



オバマ政権下で転換された外交政策を象徴する動きで、主な輸出先は「サウジアラビアやカタールアなどの湾岸諸国」だ。また、意外にも昨年の輸出国4位と5位には「韓国と日本」がはいっている。

一番のお得意先であるサウジアラビアは潤沢なオイルマネーをつかい、一国としては最大規模の兵器売買契約を2012年にアメリカと締結。機関銃から迎撃ミサイル、戦闘用ヘリコプターまでさまざまな武器を買いあさっている。

中東和平の脅威とみなされているイランへの抑止策だというが、イランの軍事費はサウジの5分の1にすぎず、その脅威が誇張されていると指摘する専門家も少なくない。



FMS(対外有償軍事援助)を最終的に承認するのはアメリカ国務省で、国家の安全を守ることが判断基準とされている。

「外交政策上の活動」という名目だが、これには異議を唱える声もおおい。兵器産業や企業の利益が考慮されており、国内やヨーロッパでの売り上げ減少を受けて、中東が「儲かる市場」と捉えられている、というわけだ。

実際、シリアの反政府勢力へ届けられるはずだった武器が、IS(イスラム国)の手に渡っていたことが発覚しており、中東和平に結びついているとは言い難いのが現実だ。











from COURRiER Japon(クーリエジャポン) 2016年 01 月号



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