とある駅の構内に、「疑問から始まる学問」という気の利いたフレーズを見かけた。
なるほど、「疑問」という門をくぐった先にあるのが、「学問」という門であろう。
しかし、その先となると道は不確かとなるばかり。その途上には「苦悶」、「煩悶」などの易からざる諸門が立ち塞がる。
この段階に至りてようやく、前門には虎、後門には狼であったことに気付かされざるを得ない。
やむなく、シッポを巻いて逃げ出せば、その見苦しき様は、肛門から吐き出される汚物のごとし。
しかしそのせいか、腹のうちはどこかスッキリとしている。そんな"もん"だ。
そもそも、疑問という門をくぐったのは、何かを疑ったからに他ならない。
そして、散々に門内をのた打ち回ってみた後は、汚物のような、まことにつまらぬモノでも、何かを信じる気にはなっている。
詰まっていたのは他でもない、信じられぬ何かであったのだ。
今朝、珍しく澄み切った空の向こう、遠方に立っする山々の頂きが汚れなき白さに染まっていた。
また美しい季節が巡ってきた。
それはそれで、いい"もん"だ…。
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