2014年5月28日水曜日

マテ茶の精神




サッカー大国、南米パラグアイ

小澤英明は、その異国の地にとびこんだ。18年間プレーしたJリーグを離れて。



「チームに溶け込もう、認められようともがいていた時、みんなが回し飲みしている飲み物があることに気付いたんです」

それが『マテ茶』だった。

マテ茶は、コーヒーと紅茶(中国茶・日本茶を含む)にならぶ”世界三大飲料”ともいわれている。



「最初は躊躇しましたが、勇気を出してその(回し飲みの)輪に加わってみました。するとチームメイトとの距離が一気に縮まった。日本で言う”同じ釜のメシをくう”みたいな感覚ですかね」と小澤は微笑む。

ビタミンやミネラルが豊富なマテ茶。肉料理中心の南米諸国にあって、マテ茶は”飲むサラダ”として日常に浸透しているという。

「これは何か力のある飲み物だと直観しました。味わいもスッキリして美味しいし、身体だけでなくメンタルに作用する部分があることも知ってほしい。今この一瞬を精一杯生きるという気持ちにさせてくれるんです」



パラグアイに渡り、早4年。

いまや小澤は、回し飲みにすっかり溶け込んでいる。

「あとでわかったことですが、回す方向は必ず時計回り。なぜかというと、”仲間たちと同じ時を刻む”という意味が込められているから」






(了)








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