2012年10月15日月曜日

やさしさこそが大切で、悲しさこそが美しい



「やさしさこそが大切で

 悲しさこそが美しい」



これは、山田康文くんの詩の一節。彼は生まれた時から全身が不自由で、口も利けなかった。重度の脳性麻痺である。



「ぼくさえ生まれなかったら

 かあさんの白髪もなかったろうね

 大きくなったこのぼくを

 背負って歩く悲しさも

 『かたわな子だね』とふりかえる

 つめたい視線に泣くことも」



生前、ひと言の言葉も発し得なかった少年。

養護学校の先生の気の遠くなるような作業がなかったら、この詩が生まれることはなかった。

この詩を書き上げた2ヶ月後、少年は元いたところへ帰って逝った…。





出典:心に響く小さな5つの物語 (小さな人生論シリーズ)

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