「日常の中に負い目があると、肝心なときの流れを逃してしまう」
すなわち、日常の中に負い目をつくらないことが、雀士「桜井章一(さくらい・しょういち)」の勝利への哲学の一つであった。
1960年代に裏稼業「麻雀の代打ち」となった桜井章一は、その後20年間「無敗」のままに引退したとされている(唯一、孫の刀でボコられたことはあるようだが…)。
一晩で九蓮宝塔以外の役満を全て和了したという伝説もある(イカサマかどうかは知らない)。
「平常心を失うと、運をもっていかれる」
そう言う彼は、あたかも人の心の内を見透かすように、「泥棒がその日に窃盗したかどうか分かる」と語っている。
心とともに、常に身体も整えていなければならないと考えていた桜井。
武術家・甲野善紀をして「正中面が立っている」と言わしてめたほど身体のバランスが整っていたという。
出典:日経サイエンス2012年5月号
「大学1年生に薦めたい本 森田真生」
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