2013年5月7日火曜日

「世界のホームラン王」王貞治。その実直さと思いやり




台湾人の父と、日本人の母

小さな中華料理屋の次男として誕生した「王貞治」



父親に「箸と鉛筆とソロバンは『右』でやれ」と言われたのを実直に守り、サウスポー(左利き)なのに右打ちを通して苦労していたという。

そんな中学時代、後に師匠となる荒川博氏からアドバイスを受け、左打ちに変更。

それからだった、打撃に目覚めたのは。



早実高等部の野球部では、投手として甲子園で優勝を飾るなど、「好投手」兼「猛打者」と投打両方に実力を示す。

そして、あこがれの読売巨人軍に入団。

しかし、期待されたプロ初年度はまったく振るわない。それでも球団の練習ボールの破れを自腹で修繕していたのが評価されて、年俸がアップ。







その後、荒川博コーチのもと、猛特訓の末に「一本足打法」を完成。

ホームランを量産した王選手は、長嶋茂雄選手との「ONコンビ」で野球界のスーパースターとして大活躍。

長嶋選手は、走攻守ともに派手で最高のパフォーマンス。それにたいして、王選手はホームランを打っても喜びをあらわにせず、淡々とベースを一周する。



その姿には理由があった。

高校時代、ホームランを打ってホームベース上で喜ぶ弟・王貞治に、兄の鉄城が「打たれた相手のことを考えろ」と叱責。

以来、王選手はホームランを打っても相手投手を思いやって、喜びを表さなくなったのだという。



初の国民栄誉賞は、この人、王貞治氏に贈られた。

通算ホームラン数868本、「世界のホームラン王」





出典:大法輪2013年4月号

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