2013年5月24日金曜日
税の世界における「クロヨン問題」とは?
日本国民のすべてに「番号」が割り振られて管理されることになる「マイナンバー法案」。
ひとたび与えられた十数ケタの番号は、原則として一生変わらないとのこと。
現国会で審議中のこの法案が通れば、2015年の10月から一斉に国民に通知され始められることになる。
政府の狙いはというと、国民の「所得」をより正確に把握すること。つまり「納税者番号」として利用することにある。
マイナンバーの導入によって、国民一人ひとりの所得が今よりも正確に、しかも一発で把握することができるようになり、「過少申告や脱税を防ぎやすくなる」。
税の世界でかねてから大きな課題とされてきた「過少申告や脱税」。
俗にいう「クロヨン問題」
その解消に、マイナンバー制度が一役買うと見られている。
ところで、「クロヨン問題」とは?
たとえば「サラリーマン」は、給料をもらう時にはすでに税金が天引きされているので、所得のおよそ「9割」までを国が把握していると考えられている。
ところが一方、たとえば「自営業者」の場合は、所得全体のうち「6割」程度しか国は把握できていないとみられ、とりわけ「農家」はその「4割」しか課税対象になっていない、と一般に言われている。
すなわち、サラリーマン「9割」、自営業者「6割」、農家「4割」。
これがその、「ク(9)ロ(6)ヨン(4)問題」である。
だが、たとえ番号制度が導入されようとも、結局、自営業者や農家の場合は、仕事しての「経費」と個人で使った「私費」の境は依然として曖昧なままである。
つまり、この境が明確でなければ、国民の所得全体に正確に把握することは難しいとされている。
(了)
出典:NHK時論公論「マイナンバー制度」
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