2013年6月21日金曜日
「徹夜」の思わぬ効果
「徹夜」は身体には悪そうだが、「頭」には良さそうだ。
アメリカの見事なサクセス・ストーリーにおいて、「徹夜での仕事」が大きな違いを生んでいる。
The Wall Street Journal「徹夜労働は、人が眠っている時に働くというだけのことではない。『創造力を要する仕事の出来栄え』も改善できる。
アメリカの詩人ロバート・フロストは、「徹夜した翌朝」に突然、名案がひらめいた。そして、フロストはわずか数分のうちに詩を書き上げた。
それが、雪の夕べ「Stopping by Woods on a Snowy Evening(雪の夕べ森のそばにたたずんで)」である。
ウォズニアック氏は、プロジェクトの締め切りに間に合わせるために「連日の徹夜作業」を余儀なくされた。その極度の疲労が「硬直した意識のコントロール」を失わせ、そのことが幸いし、「制約のない創造力」が生み出された。
それが「カラーで表示できるモニター」へのアイディアだった。ウォズニアック氏は、言わずと知れた、アップル社の共同設立者の一人である。
科学的にみて、なぜ徹夜には「効果」があるのか?
ミシガン州立大学とアルビオン大学は、そんな「徹夜の謎」を解き明かすため、ある実験を行なっている(2011)。
2つに分けられたグループには、両方に「創造的なアイディアが必要とされる仕事」を与えられた。両者に異なる条件は、一方が「体調万全」で臨んだのに対し、もう一方のグループは「覚醒状態が低く、集中力がない時」、すなわち「徹夜明け」のような疲労困憊した状態で仕事に挑まなくてはならなかった。
さて、気になる結果は?
なんと「この疲労困憊したグループ」の方が、「問題解決が著しく優れていた」。
直感的には、体調万全で仕事に臨んだ方がより良い結果が望めそうなのに、なぜ「徹夜明け」のようなグループの方が良好な成果を出したのだろうか?
The Wall Street Journal「われわれは十分な休養がとれている時、狭く定義された仕事に効果的に焦点を絞るため、最高レベルの認知資源を用いる傾向がある。しかし、『創造力を要する仕事』は、その反対のことを求める場合が多い」
すなわち、十分な休養がとれている時は、「既存の枠組み」にとらわれてしまい、「馬鹿げていること」「理論的でないこと」を退けてしまう。
しかし、創造的なアイディアは「既存の枠組み」の中にはあまり存在しない。むしろ、「馬鹿げていること」「理論的でないこと」の中に隠れていることの方が多い。
その点、「徹夜」という疲労困憊した状態においては、「既存の枠組み」が崩壊寸前である。そして、その「いつもの常識」が崩れたところから、奇抜なアイディアは飛び出してくるのだ…!
また、ハーバード・メディカル・スクールの2009年の研究によれば
「若い成人は『30時間の睡眠不足』にさらされても、言語や理論、理解に関連したさまざまな認識テストで、十分休養をとった若者たちにそれほど劣らなかった」
なるほど。もし人と違うことを成したいのであれば
「徹夜」を試してみるのも悪くない。
ソース:The Wall Street Journal
「成功を収める人々に睡眠は必要か」
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