2013年6月11日火曜日
「意志の力」は有限、そして減っていく
「意志の力」とは減るものだったのか?
そんな研究結果が、フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスター氏によってもたらされた。
「意志の力というものは、自動車のガソリンのようなものだ。つまり、使えばなくなっていく消耗品なのだ(WIRED)」
意志の力は「我慢」によって消耗していく。
学生たちを2組に分け、一つのグループには「チョコチップ・クッキー」を自由に食べることを許し、もう一方のグループには、それを指をくわえて見ているように、すなわち「我慢」するように命じた。
その後、我慢を強いられたグループは、「難しいパズル」を解くための力が残されていなかった。すぐに投げ出してしまったのだ。
一方、我慢という意志力を温存していたクッキー組は、ずっと長い時間、難しいパズルと向き合うことができた。彼らはクッキーを我慢しなかった分、そのエネルギーがまだ残されていたのだ。
このクッキーの実験が示すように、意志力は「食べもの」とも深い関わりがある。具体的には「グルコース(ブドウ糖)」が意志力のエネルギー源となる。
「つまり、食べ物を食べないでいるとグルコースが減少し、それに伴って意志の力も減少していくのだ(WIRED)」
これは皮肉なことだ。とりわけダイエットを継続することを難しくしてしまう。食べないという意志がグルコースの減少をもたらし、ダイエットへの意志をどんどんと弱めてしまうのだから。
「食べないでいるためには意志の力が必要だが、意志の力を得るためには食べることが必要なのだ」
この言葉は、バウマイスター氏と一緒に本を出版したジョン・ティアニー氏のものである。
もはやこれでは「禅問答」だ。
では、どうすれば意志の力をコントロールできるのか?
「まず、意志力は有限な資源なので、無理に手を広げすぎてはならない。決心は『一つ』にするべきだ」と彼らは言う。
そして、意志の力には「休息」も必要だ。
「たとえば1週間の禁煙などをやり遂げることができた場合、美味しい夕食を楽しむなどして、意志力を『一休み』させる」
「セルフ・コントロール(自制)が最もよくできている人は、一日中ずっと意志の力を使ってはいない。その力を節約できるように生活を構築している」
ジョン・ティアニー氏は、そう言っている。
(了)
ソース:WIRED
「『意志の力』が減っていく理由」
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