ムーディーズ、フィッチ、S&Pなど、大手格付け機関による相次ぐ「韓国国債」の「格上げ」。
フィッチ・レーティングスの評価においては、韓国国債の格付けが、史上初めて日本国債を上回った。
韓国の国債格上げの理由としては、政府債務の少なさ、北朝鮮リスクの低下、外貨準備高の持続的増加などが挙げられている。
この朗報を受けて、韓国の毎日経済新聞には、こんな言葉が躍り上がっていた。
「庚戌国恥102年、宿命のライバル韓日実力比較」
「庚戌」とは1910年の日韓併合、すなわち日本による植民地支配の始まりを示す。この年が韓国にとっての「国恥」、国の恥なのである。
その恥から102年、ついに韓国は日本を超える可能性が出てきたというのである。
しかし、現在の韓国の経済規模(GDP)は日本の5分の1程度にすぎない。
それでも、あと40年もすれば日本をGDPでも追い越すと、その記事では試算されている(韓国3.4%の年率成長、日本マイナス0.6%を前提)。
最近の李明博大統領の竹島上陸なども手伝って、「政治的な」向きの人々は、この朗報に大いに盛り上がっているというわけだ。
その一方、非常に冷め切っているのが経済関係の人々だ。
「格上げ? 信じられない。いったい韓国経済のどこをみているんだ?」
財閥グループの経営者は、「韓国の景気はどんどん悪くなっている」というのである。
輸出で身を立てている韓国は、ユーロ危機や中国の成長減速の影響に直撃され、ここ数ヶ月の間に輸出が急減してしまっている。
民間の債務急増も国内問題の一つだ。不動産価格の急落により、身動きの取れなくなった庶民たちが急増しているのである。その積み上がった個人債務は、韓国のGDPと同じほどの背丈になりつつある。
4〜6月期の韓国GDPの成長率は0.3%にまで低下。年間では政府予想を大幅に下回る2.5%。このペースでは40年で日本に追いつくことなど不可能だ。
韓国の識者たちは、こうした現実を知っている。だからこそ、無闇に浮かれることを戒めている。
「1997年、韓国が通貨危機に落ち入る直前まで、韓国の格付けはA等級の経済優等生だった。それなのに、そのわずか1〜2ヶ月で国家不渡りの危機に直面したのだ」と。
経済界もこの「格上げ」には迷惑顔だ。「財閥が協力して、悪化する経済の実態を政治家たちに理解してもらおうとしていた矢先に…。タイミングが悪すぎる」
出典:JB press
「韓国格付け、日本を抜いたというものの…」