2013年9月9日月曜日

日本の原点「ホツマツタエ」とは?



「古事記」「日本書紀」以前の伝承をいまに伝えるという『ホツマツタエ』

そこに見られる日本の原点を、日本画家「鳥居禮(とりい・れい)」氏は語る。



「簡単に申し上げると、(『ホツマツタエ』には)日本はもとより世界のどこにもない宇宙創成の物語が伝えられています。

 冒頭にアメミヲヤという創造神が宇宙をつくろうと思って息をフーッと出すんですね。『初(うい)の一息』というんですが、それがグルグル回転して宇宙の大いなる壺、大壺(うつぼ・空)ができた。これは子宮と感応する重要な壺で、日本列島の東北の多賀城、富士山、琵琶湖とも関係してきます。

 その大壺に天御柱(あめのみはしら)といって天と地をつなぐ見えない霊的な柱が立ったんです。この柱は真ん中の大きな柱とその周りの8つの柱でできていて、ゴロゴロ車輪のように周ります。そして真ん中の柱は天からのアメミヲヤの神の息、生命エネルギーが地球上に吹き込まれ、周りの8つの柱は地球上の汚れを吸い上げてくれるというんです。

 そして、その回転の中からプラスとマイナス、陰陽二元の分離が起こるんです。プラスのほうはギューッと固まって赤いお宮、赤宮に安置され、そこから日と男が生まれた。マイナスのほうは月となり白宮に安置され、そこから月と女が生まれたといいます。
 興味深いのは、ウクライナには娘が結婚する時、母親から織物を渡す習慣がありまして、その一番古いものを見ると配色が赤と白なんです。その後わかったのはペルーもそうで、民族衣装はもともと赤と白を基調にしていたらしいんです。確かにサンタクロースもそうだし、バチカンでも法王が大事な儀式の時にお召しになるのは赤と白のものであったり、いろいろ探してみると世界共通の色何じゃないかと思います」



「『ホツマツタエ』では、地球上では男と女が仲睦まじい状態が一番大事だと解かれています。

 紅白二色が混じるとピンクになりますが、これは桜の色です。日本で桜を尊重するのは、男女が仲のいいことを表していますが、それを伊勢の道といいます。妹(女)と背(男)が妹背(いもせ・夫婦)、そして伊勢に変化したんです。ですから、伊勢の道とは男女仲よくなること、宇宙のプラス・マイナスと一体となることであって、それが人間一番気持ちよく過ごせるんです」



「それから『ホツマツタエ』には日本にしかない独自の死生観が記されています。

 天照大神をはじめ多くの神々が住んでいたとされる天上の世界を高天原といいますが、この原というのはお腹のことなんです。そして我々地球上に住む者は、宇宙大の子宮である大壺に身ごもった胎児だというんです。そして人生を全うして亡くなると神になって、初めて壺(子宮)の外の高天原に生まれ出る、つまり死ぬ時が本当の誕生なんです。

 ですから我々がこうやって生きているのは、胎児のようにまだ未完成な状態であって、死こそ本番なんですね」



「『ホツマツタエ』には『和(やわ)す』という言葉が出てきます。

 神々が悪者と戦う時の心得で一番大事なのが『和す』こと。つまり相手と対立し、相手と同じように心を怒らせたり荒ませたりしてはいけないということ。柔らかく結びつけていくことが大切だということです。

 ですから日本人は丸いものが一番好きなんです。魂を和して和していくと球体のように丸くなっていく。そうすると相手とぶつからないし、情報が全角度からたくさん入ってくる。

 日本民族というのは、北方から来た民族と南方から来た民族のハイブリッドで、両方の遺伝子を持っています。その上、旧石器時代、縄文時代、弥生時代と、各時代の異質な遺伝子が最も残っていて、世界に例がないくらいバリエーションが広いらしいですね。それは、日本の中で民族を根絶やしにするような激しい争いが行われず、互いに共存してきたからです。遺伝子的な多種多様性を保ちながら一つの文化を築いてきたのが、日本民族の特徴なんですね」







ソース:致知2013年8月号
「古代伝承『ホツマツタエ』が指し示す日本の道」

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