2013年9月9日月曜日

「謦咳(けいがい)に接する」とは?



「謦咳(けいがい)に接する」とは?



「白隠(はくいん)禅師というお方の、さらにその師にあたる正受(せいじゅ)老人という方がおられました。その正受老人の傍には、いつも200人ほどの人が集まっていたそうです。ところが、その正受老人は説教もなさらないし、経も上げない。いつもニコニコしていらっしゃる。弟子たちはそのお人柄に触れたいと、それだけで自分が磨かれていくと思い、いつも正受老人の周囲は人だかりだったといいます。白隠禅師は”わが師とはそういうお方でした”とおっしゃっていたと言われています。


 人間は口舌の徒ではなく、居ながらにして人に教える、このような人にならなければいけない、と。人間は作為することのできる大儀や大文章よりも、不用意な一言や一寸(ちょっと)したことに、その人の全貌があらわれる、と」





ソース:致知2013年8月号
「学問と神道 大阪天満宮宮司 寺井種伯」


0 件のコメント:

コメントを投稿