2013年3月2日土曜日

なぜ、人間は宇宙を目指すのか?



B.フラーは地球を、宇宙船地球号という「乗り物」だと言った。

その一方で、J.ラブロックは地球を、ガイアという「生物」だと言った。



「?」

地球は「乗り物」なのか?

それとも「生物」なのか?



その矛盾を解決するのが、R.ドーキンス。

彼は名著「利己的な遺伝子」の中で、こう言っている。

「人間は、遺伝子の乗り物(ビークル)だ」と。







人間という「生物」は、同時に遺伝子にとっての「乗り物」でもあったのだ。だとすれば、人間はいわば、地球にとっての遺伝子。地球はその乗り物であり、かつ生物でもあり得る。

「だから、(地球の遺伝子たる人間は)利己的だし、増殖も続ける」

それが遺伝子としての宿命なのだから。



そして、遺伝子が自分のコピーを作ろうとするように、人間も自分の子孫(コピー)を創ろうとする。そして、それは地球という「生物」も然り。

地球というより大きな生物にとって、人間という遺伝子は増殖する「生殖細胞」のようなもの。つまり、地球の精子たる人間が宇宙に「発射」されれば、地球のコピーが宇宙に誕生する可能性がある。

ゆえに、人間は宇宙を目指す。



そこに確たる理由はあるのか?

はたまた、突然変異にすぎぬのか?






出典:宇宙兄弟(3): 3 (モーニングKC)

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