B.フラーは地球を、宇宙船地球号という「乗り物」だと言った。
その一方で、J.ラブロックは地球を、ガイアという「生物」だと言った。
「?」
地球は「乗り物」なのか?
それとも「生物」なのか?
その矛盾を解決するのが、R.ドーキンス。
彼は名著「利己的な遺伝子」の中で、こう言っている。
「人間は、遺伝子の乗り物(ビークル)だ」と。
人間という「生物」は、同時に遺伝子にとっての「乗り物」でもあったのだ。だとすれば、人間はいわば、地球にとっての遺伝子。地球はその乗り物であり、かつ生物でもあり得る。
「だから、(地球の遺伝子たる人間は)利己的だし、増殖も続ける」
それが遺伝子としての宿命なのだから。
そして、遺伝子が自分のコピーを作ろうとするように、人間も自分の子孫(コピー)を創ろうとする。そして、それは地球という「生物」も然り。
地球というより大きな生物にとって、人間という遺伝子は増殖する「生殖細胞」のようなもの。つまり、地球の精子たる人間が宇宙に「発射」されれば、地球のコピーが宇宙に誕生する可能性がある。
ゆえに、人間は宇宙を目指す。
そこに確たる理由はあるのか?
はたまた、突然変異にすぎぬのか?
出典:宇宙兄弟(3): 3 (モーニングKC)
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