「人(ひと)」という古い日本語の由来は「霊処(ひと)」、つまり「霊(ひ)がとまるところ」という説がある。また、「ひ」は「日」に通じ、「日の徳にとまるところ」というものもある。
「私たちの祖先は、太陽に明るく照らされ、神霊が宿るところが人間だという見方をもっていたようです(光延一郎)」
いわば、日本人は「天」を見て、そして人を見たのだ。
さて、次は西洋へと目を転じてみよう。
ギリシャ語の「人」は「アントロポス」。「花開く」という意味。ラテン語では「ホモ」、これは「大地」。旧約聖書に登場するアダムという最初の人の名は、「アダマー(地面)」に由来し、「土の塵」からできたことを示唆している。
なるほど、西洋の人々は「地」を見て、そこから人を見たのだ。
ところでラテン語では、「人格」を「ペルソナ」というが、その語源は「仮面」だという。これは、英語のパーソンにも派生する言葉だ。
土くれから生まれたヒトが、人間という仮面をかぶる…。
それはなんとも、人の間に生きる「人間」らしい姿ではあるまいか…。
出典:大法輪2013年3月号
「日本人のためのキリスト教入門 光延一郎」
0 件のコメント:
コメントを投稿