2013年5月30日木曜日
2013年5月28日火曜日
2013年5月27日月曜日
「心に刻み、腹に落とし込んだ言葉」村田諒太 [ボクシング]
ロンドン・オリンピック
ボクシング金メダリスト
「村田諒太(むらた・りょうた)」
彼が「涙が涸れるほど泣いた日」
それはロンドン五輪の2年前、2010年2月9日
南京都高校次代の恩師「武元先生」の突然の死であった。
練習後、恩師の訃報を受けた村田諒太
「自宅のマンションのドアを開け、嫁さんに『いったい、どうしたの?』と聞かれた途端に、涙があふれて止まらなくなった」
武元先生の一周忌
同じ南京都高校ボクシング部のOBである「近藤太郎」は、ブログにこんな書き込みをした。
「一番大事なことは、武元先生の教えを『心に刻み、腹に落とし込んで生きていくこと』だと思います」
「命日とは『命になる日』と書きます。武元先生の教え、遺された御功績が命となる日です。僕たちOBは、何を考え、何を思い、どうやって生きていくのか、いま一度原点に立ち返って考えなければならない日が、命日の今日だと思います」
そして、ロンドン五輪を半年後に控えた村田諒太
武元先生のある一つの言葉が、胸の内に浮かんできた。
「努力したからといって報われるわけじゃない。でも努力しないと報われない」
その言葉が蘇ると不思議なもので
「『オリンピックでメダルが取れへんかったら、どうしよう』というヘタレな気持ちは、どこかへ吹き飛んでいって、『努力をせな報われへん』と、今やるべきことから逃げなくなった」
そして、「人よりも1%多いだけの『101%の努力』を妥協せずに続けることができた」、と村田諒太は記す。
出典:101%のプライド村田諒太
2013年5月24日金曜日
宇宙はマトリョーシカ。その最後の中身は…
「超ひも理論」
このいかにも小難しいそうな理論を、大栗博司教授はロシアの「マトリョーシカ」にたとえる。
この可愛らしいダルマのような人形は、胴から半分に割れて、その中から一回り小さい人形が顔を出す。
その人形を割ると、さらにもう一回り小さな人形。また割ると、そのまた一回り小さな人形…。
こうしてついには、「小指の先ほど」の小さな人形にまで行き着く。
マトリョーシカの「入れ子構造」は、普通ここで終わる。それは原子にたとえると、原子の中にそれより一回り小さな「原子核」があり、その中には「核子(陽子と中性子)」、そして、その中の「クォーク」に至ったところだ。
「さて、この中には何があるでしょう?」
大栗教授は、試すように微笑みながら、小指大のマトリョーシカを丁寧に割って見せる。
そして、出てきたのは…
「輪ゴムだ!」
超ひも理論によれば、分割不可能と思われたクォークの中には、輪ゴムならぬ「超微小のゴムひものようなもの」が入っているとされている。
そして、その「ひも」は「バイオリンの弦」のようにプルプルと振動しているのだという。
素粒子を「点」ではなく、「弦(ひも)」と世界で初めてイメージしたのは「南部陽一郎」氏で、それは今から40年以上前の1970年のことだった。
その「弦理論(ひも理論)」が1970年前半に強化されたものが「超弦理論(超ひも理論)」と呼ばれるものだ。
マクロ世界を支配する「相対性理論」と、ミクロ世界を対象とする「量子力学」は、互いに相性が悪かったが、この「超ひも理論」がその仲を取り持ち、反目する両者を統合する可能性を垣間見せてくれたのだった。
大栗教授は小学生時代、湯川秀樹氏の伝記に感動したという。
「思考の力で自然界の最も深く揺るぎない真実に到達したという話に、感動しました」
そして、その憧れの京都大学へ。そこには「そんなことを考えている学生ばかり」がいた。
京大の数学者・佐藤幹夫(現名誉教授)は、若き大栗氏にこう言ったという。
「朝起きた時に、今日も一日数学をやるぞ、と思っているようでは、とてもモノにならない。数学を考えながらいつの間にか眠り、朝目が覚めた時はすでに、数学の世界に入っていなければならない」
超ひも理論によれば、極小のヒモなるものは「9次元空間」で振動しているという。
ご存知、われわれの知覚している世界は「3次元(縦・横・高さ)」。つまり超ひも理論が正しければ、「この世界には別に6次元の空間が隠されていることになる」。
「隠された6次元空間の中に、自然界の法則が書き込まれている可能性を、美しいと感じました」と、京大大学院に進んだ大栗氏は思ったという。
そして30歳の頃、アメリカ東部ボストンのアパートの中で、「100年に一度の大雪嵐」に閉じ込められる。
「そこで研究中の方程式を眺めていたら、ファインマン図を使ってそれが解けることが判ったんです。それまで数ヶ月にわたって考えていたことが、大雪嵐で閉じ込められていた時に結晶化したんだと思います」
大栗氏はトポロジー(位相幾何学)を用いた計算手法によって、「隠された6次元空間の距離をどのように測っても代わることがない物理量、それを素粒子が持っていること」を突き止めたのだった。
「数学の言葉で、この世界のことがスッキリわかるのは素晴らしいことです」と大栗氏。
こうした功績により、大栗氏はカリフォルニア大学バークレー校で教授に就任。32歳の最年少教授だった。
その後、超ひも理論は進化する。それまでは力が弱く働いている状態にしか適用できなかったものが、力が強く働く場合でも通用するようになる。
そのお陰で、犬猿の仲だった「相対性理論」と「量子力学」も、グッとその距離を近づけることになる。
両者の接点となったのは「ブラックホール」。
ブラックホールに入った「物質の情報」は失われるか否かという「ブラックホールの情報問題」が、そのキッカケになった。
ホーキング博士は「情報は失われる」と主張したが、逆の立場をとる科学者たちも多かった。
1996年、超ひも理論は「限りなく大きなブラックホールでは、情報は失われない」ということを計算によって証明。
残された問題は、「小さいサイズのブラックホール」だったが、こちらは2004年、「超ミニサイズ(プランクサイズ)のブラックホールでも情報は失われない」ということが証明された。
それを明らかにしたのは大栗教授。得意としていた「トポロジカルな弦理論」で、それを明らかにしたのであった。そして、ホーキング博士も自説を撤回することになる。
超ひも理論から40年。
それが万物の理論の本命であるのかどうかは、まだわからない。
まだまだ、大栗教授の仕事は残されている…!
(了)
出典:日経サイエンス2012年6月号
「超弦理論で世界の成り立ちを探る 大栗博司」
税の世界における「クロヨン問題」とは?
日本国民のすべてに「番号」が割り振られて管理されることになる「マイナンバー法案」。
ひとたび与えられた十数ケタの番号は、原則として一生変わらないとのこと。
現国会で審議中のこの法案が通れば、2015年の10月から一斉に国民に通知され始められることになる。
政府の狙いはというと、国民の「所得」をより正確に把握すること。つまり「納税者番号」として利用することにある。
マイナンバーの導入によって、国民一人ひとりの所得が今よりも正確に、しかも一発で把握することができるようになり、「過少申告や脱税を防ぎやすくなる」。
税の世界でかねてから大きな課題とされてきた「過少申告や脱税」。
俗にいう「クロヨン問題」
その解消に、マイナンバー制度が一役買うと見られている。
ところで、「クロヨン問題」とは?
たとえば「サラリーマン」は、給料をもらう時にはすでに税金が天引きされているので、所得のおよそ「9割」までを国が把握していると考えられている。
ところが一方、たとえば「自営業者」の場合は、所得全体のうち「6割」程度しか国は把握できていないとみられ、とりわけ「農家」はその「4割」しか課税対象になっていない、と一般に言われている。
すなわち、サラリーマン「9割」、自営業者「6割」、農家「4割」。
これがその、「ク(9)ロ(6)ヨン(4)問題」である。
だが、たとえ番号制度が導入されようとも、結局、自営業者や農家の場合は、仕事しての「経費」と個人で使った「私費」の境は依然として曖昧なままである。
つまり、この境が明確でなければ、国民の所得全体に正確に把握することは難しいとされている。
(了)
出典:NHK時論公論「マイナンバー制度」
20年間「無敗」の雀士、桜井章一
「日常の中に負い目があると、肝心なときの流れを逃してしまう」
すなわち、日常の中に負い目をつくらないことが、雀士「桜井章一(さくらい・しょういち)」の勝利への哲学の一つであった。
1960年代に裏稼業「麻雀の代打ち」となった桜井章一は、その後20年間「無敗」のままに引退したとされている(唯一、孫の刀でボコられたことはあるようだが…)。
一晩で九蓮宝塔以外の役満を全て和了したという伝説もある(イカサマかどうかは知らない)。
「平常心を失うと、運をもっていかれる」
そう言う彼は、あたかも人の心の内を見透かすように、「泥棒がその日に窃盗したかどうか分かる」と語っている。
心とともに、常に身体も整えていなければならないと考えていた桜井。
武術家・甲野善紀をして「正中面が立っている」と言わしてめたほど身体のバランスが整っていたという。
出典:日経サイエンス2012年5月号
「大学1年生に薦めたい本 森田真生」
プロ野球選手が、野球を辞めたあとは…
昨シーズン、現役を引退したり、戦力外通告を受けたプロ野球選手の進路は、7割以上が野球に関係する職業だったことが、日本野球機構の調査で分かった。
調査対象になった選手は101人で、平均年齢は30.5歳。野球以外の一般企業などに就職した選手は8人にとどまり、進路が不明または未定の選手は16人。
現役引退や戦力外通告を受けた選手
101人(平均30.5歳)の進路先
野球に関する職業…77人
一般企業など…8人
進路不明・未定…16人
出典:NHKスポプラ
2013年5月23日木曜日
書籍「神は老獪にして… アインシュタインの人と学問」
まるで科学は「一握りの天才たち」がスイスイと完成させてしまったかのようにも思われる。
たとえば、アインシュタインにような大天才が。
だが、実際の科学の現場は、もっと泥臭い汗にまみれている。
かのアインシュタインだって、間違い続けてきたのだから。
そんな人間臭いアインシュタイン
それが本書の魅力である。
「自由な発想、それこそが唯一誰にでも平等に与えられた遊び心」
出典:日経サイエンス2012年5月号
「大学1年生に薦めたい本 前野昌弘」
運動後にはヨーグルト。スポーツと免疫力
スポーツと健康は、つながっているように思える。
ところが、たとえばマラソンのような、激しすぎる運動を行うと「免疫力」は低下してしまうのだという。
「運動というのは、身体にとっては一種のストレスです。『免疫』という点から見ると、デメリットもあるんです」と、免疫学の竹田和由准教授(順天堂大学医学部)は語る。
たとえば、マラソン大会に出場したランナーと、キャンセルしたランナーの2週間後の健康状態を比べると、マラソンを走った人のほうが「6倍近く感染症にかかっていた」というデータも報告されている。
要するに、マラソンという過激な運動がその人の免疫力を低下させ、そのため感染症に対して脆弱になってしまっていたのだ。
なぜ、過ぎた運動が免疫力を低下させてしまうのか?
その一因となるが、NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)の活性低下である。
このNK細胞というのは「殺し屋」の異名通りに、身体中を隈なくパトロール監視するのが、その役割である。
ところが、運動やスポーツが「ストレス」になってしまうほど激しすぎる時、NK細胞はパトロールどころではないほどに疲れきってしまうのだという。
「運動中はアドレナリンなどが分泌されて、NK細胞の活性も上がっているんですが、運動が終えてしばらくすると、張り切り過ぎた反動でいつもよりガクッと落ち込んでしまうんです」と、竹田准教授は説明する。
なるほど、燃え尽き症候群となってしまうNK細胞。そのスキに乗じて、感染症の魔の手が忍び入るというわけだ。
NK細胞が燃え尽きてしまったこの状態は、「オープン・ウィンドウ」とも呼ばれ、アスリートたちが風邪をひきやすいのも、それが原因でないかと考えられている。
それゆえ、免疫学の観点からすれば、「運動は軽度のものが好ましい」というところに落ち着いていく。
ただ、多少の激しい運動をした後でも、NK細胞の好物を与えれば、その活性度は極端に落ち込まないという。
「たとえば、キノコなどに含まれる多糖類(βグルカン)、R-1乳酸菌を使用したヨーグルトなどを摂ると腸管の免疫が刺激されて、運動後でもNK細胞が再活性化することが分かっています」と竹田准教授。
ちなみに、牛乳よりもヨーグルトのほうがずっと、風邪をひく確率を減らしてくれるという研究結果も示されている。
運動・休養・栄養のバランス。
「殺し屋」の異名をもつわりには、意外とデリケートな面もあるNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)であった…
(了)
出典:Number
「ヨーグルトを摂って、免疫力を向上させよう」
書籍「素数に憑かれた人たち 〜リーマン予想への挑戦〜」
1+1+1+1+1+1+1……= −1/2
などと言われたら、ビックリしないだろうか?
「でも、これは真実だ(多少表記の仕方に問題があるにしても)」
この不思議は、数学史上最大の未解決問題「リーマン予想」と密接に関連するものだ。
その秘密が、本書にある。
本書は「知的であり、かつ好奇心もあるが、数学者ではない」という読者を対象にしている、とプロローグには記されている。
ただ、しょっぱなからlogが顔を出したりと、「頭の芯が疲れる」のも事実である。
それでも「素数」の魅力は色褪せない。
「素数に隠されたさまざまな意味を、まったく知らずに死んでしまったら、もったいないです」
そんなレビューも投稿されている。
出典:日経 サイエンス 2012年 05月号 [雑誌]
「大学1年生に薦めたい本 川端裕人」
情緒をもった「純粋な日本人」、岡潔
「人は皆、不死である。そのことがわからずに説明できることは何もない」
「岡潔(おか・きよし)」、直筆の色紙にはそうある。
彼は「数学者」であり、そして「純粋な日本人」であった。
「僕は、論理も計算もない数学をやってみたい」と語っていた三高時代。表面的なことを追いかけるだけでは、答えが見えてこないと感じていた。
フランスに留学すると、「幾何・代数・解析が三位一体となった美しい理論」を見事に展開。
その強烈な異彩を放つ業績から、西欧の数学界ではそれがたった一人の数学者によるものとは当初信じられずに、「岡潔」というのは数学者集団によるペンネームであろうと思われていたという。
大学の教壇では「日本民族」を講義したという岡潔。
日本は「自他弁別・合理主義・物質主義」によって「無明」に位置してしまっていると述べている。
「無明」というが仏教用語である通り、岡は仏教に帰依していた。
「真善美妙を大切にせよ」と言った岡。
真には「知」、善には「意」、美には「情」が対応し、それらを「妙」が統括すると考えた。
日本民族は「知」が不得手であるとし、その代わりに「情」を大切にせよ、「日本民族は人類の中でもとりわけ『情の民族』だ」と述べている。
数学者としての岡は、まさにその「情」をもって数学的世界を創造したのであった。
数学であれ仏教であれ、岡にとってそれは表裏一体のものであったという。
そんな彼の理想は、日本の「神代」にあった。
素戔嗚尊(スサノオ)の「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を」という歌に代表されるのように、神代の日本には「矛盾のない知情意」があったのだ、と岡は言う。
日本に「無明」がはじまるのは、仏教伝来とともに「氏姓制度」が入ってきてから。自分と他人を隔てる「氏」が悪習となった、と岡は考えていた。
その無明は時代が下るとともに、広く広く広まっていく。
平安時代末期の僧・西行の「心無き 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」は、美しくも弱々しく
武士の世となった源実朝の「箱根路を わが越え来れば 伊豆の海や 沖の小島に 波の寄る見ゆ」で、すっかり無明に呑まれてしまった、と岡は言う。
江戸時代の松尾芭蕉は、辛うじて神代の「情」を保ったものの、やがて不得手の「知」が暴走したがために、明治時代以降、日本民族は戦争漬けとなってしまったのだ、と岡は言う。
「氏」が日本に入り、自分と他人の区別が明確になり、それは「自他の対立」を生むことになった。「氏」という悪習に取り憑かれた日本民族は「小我」になってしまったと、岡は嘆く。
その「小我」から脱そうとしたのが「武士道」であり「大和魂」である。さらに進めば、自他を対立させずに衆善奉行できる「真我」や「大我」につながる、と岡は言う。
外側に参照する基準はない。唯一の基準は心の中に宿っており、日本民族にとってそれは「情(情緒)」だと、岡は言っている。
その情緒を大切にすることで、分別智と無分別智が働かせ、その上で「知」を身につけるべきだ、と岡は提唱している。
それが「日本の心」だ、と。
出典:Wikipedia「岡潔」
2013年5月22日水曜日
「鼻クソは、なぜ大きくなる?」
「鼻クソは、なぜ大きくなる?」
そんな疑問を抱いた少年は、自分の鼻クソを箱に入れ、大事にとっておく。
その鼻クソを見つけた少年のお母さん、さあ大変!
この少年は、のちに日本を代表する科学者となる「小田稔」氏である。
「科学者とは、こうやって育っていくものか」
そんな愉快なエピソード。子どものように旺盛な好奇心と夢を持ち続けた小田氏は「星の王子さま」の愛称で親しまれた人物でもある。
出典:日経 サイエンス 2012年 05月号 [雑誌]
「大学1年生に薦めたい本 横山広美」
漢詩・短歌・俳句・川柳 4月
簷声止処松声起 (簷声止むところ 松声起こり)
魚眼生時蟹眼眠 (魚眼生ずる時 蟹眼眠る)
漢詩「煎茗」北口昌將(部分)
簷声(えんせい)とは「軒の雨だれ(簷滴)の落ちる音」、松声(しょうせい)とは「風になびく松葉がたてる低い音色」。
魚眼・蟹眼とは「魚の眼は大きく、蟹の眼は小さい。それぞれ茶釜の湯の煮えたぎる具合をあらわす」。
瞳瞳日上草堂春 (瞳瞳日上る 草堂の春)
瓶裏梅花一笑新 (瓶裏の梅花 一笑新たなり)
漢詩「癸巳元旦」青野博芳
短歌
ふっさりと ふっさりと 降りつづく雪 眺めて過ごす 無為の時
おのでらゆきお
葉書より はみ出し 勢ひあまりあまる 五歳児 曾孫の 賀状が届く
高松こと
わが舞へる テープをいくども 見てくれし 夫は居まさず 七度目の冬
中西勝美
つきたての 餡入り餅を ひとつまみ 口一杯に よもぎの味す
赤畑博
俳句
冬の川 痩せさらばひて 海に入る
照井青仁
寒鯉の ゆらりと浮きし 泥けむり
渡辺トシ
本堂に 続く箒目 うすら雪
立石節子
春着の子 双手広げて 鶴になる
香山たみを
みどり児の 泣き顔囲む 初笑
岩澤庄司
みつみつと 初雪の音 靴裏に
中島大隅
川柳
野暮用に 時間は痩せて ゆくばかり
荒巻重義
無言劇 空気はうすく うすくなる
加藤友三郎
悪癖も 真似をしている 影法師
水野正明
へそくりを 発見したい 大掃除
島津源之
初詣 一円玉を 探してる
北郷聖
出典:大法輪2013年4月号
疲れた日には「チキン料理(胸肉)」、そしてアップル・パイ
コックリ、コックリ
「ねむかき」さん。
厚労省の調べによると、「労働者の72%は疲れている」のだとか。
「こんな時代、『疲労に効く』食べ物があったら、うれしいなと思いませんか?」
健康落語の「立川らく朝」さんは、そう切り出す。
「これを食べると疲れない、とまではいかなくとも、疲れにくくなる、だけでも有り難い」
じつは最近、疲れを軽減するという「抗疲労効果」の認められる食べ物があるのだとか。
その中でも、とても有効なものが「イミダゾールペプチド」。
「どこにあるかって?」
スーパーに行くと必ず置いてある「鶏の胸肉」。
たとえば、自転車を10秒間必死にこぐなどして、血液検査をするだとか、細胞のエネルギー産生量を推定するとかすると
「普通は疲労が溜まって、作業効率はだんたん減ってくるものなのですが、イミダゾールペプチドを投与した場合(もちろん人間に)、投与しなかった場合と比べて、作業効率の低下が抑えられたのです。おまけに疲労感も軽減されたということなのです」
その理由はといえば、どうやらイミダゾールペプチドのもつ「抗酸化作用」が効果を発揮したらしい。
「こんな有り難い物質が、『鶏の胸肉』に豊富に含まれているなんて、うれしいじゃないですか。さあこれからは、疲れた時のディナーには、チキン料理といこうじゃありませんか。チキンといってもモモ肉じゃなくて、もちろん胸肉でね」
デザートは?
「もうアップル・パイで決まりですよ。リンゴに含まれるポリフェノールの抗酸化作用が強いことは知られていますが、同時に『抗疲労効果』もあることが分かりました」
(了)
出典:大法輪2013年4月号
「疲れた日のディナー ドクターらく朝の井戸端けんこう談義」
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