東日本大震災、福島原発事故…、その時、科学者たちの助言や提言が最も必要とされた。
しかし悲しいかな、それぞれの科学者たちは、それぞれ個人的な意見を述べるのみで、「統一された見解」というのには、ついぞお目にかかれなかった。
それゆえ、国民たちはおろか、政府までが大混乱をきたしていた。
「合意された一つの声(ユニーク・ボイス)」
もし、信頼のおけるそのようなものがあったのならば…。
ところ変わって、こちらはイギリス。
ここには「ユニーク・ボイス」があった。それが、イギリスの主席科学顧問制度である。
非常事態に際し、専門知識をもつ科学者たちが動員され「統一見解」を首相に直接助言するのである。
日本の福島原発事故のわずか2日後、イギリスの科学者たちは、即座に統一見解を首相に示した。
「イギリス人を日本から非難させる必要はない」
今になって思えば、これは明確で適切な助言であった。
出典:
日経 サイエンス 2012年 01月号
「科学者に『ひとつの声』は要るか」
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